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 東京ガスなどが発注した管路敷設工事に伴う道路の埋め戻しで、施工者の日鉄パイプライン&エンジニアリング(NSPE、東京・品川)が仕様と異なる路盤材を使っていたと分かった。不正工事は1都4県に及び、総延長は43.3kmに上る。東京ガスやNSPEなどが2020年11月18日に公表した。

左の再生粒度調整砕石を使うべき箇所に再生クラッシャーランを用いた(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
左の再生粒度調整砕石を使うべき箇所に再生クラッシャーランを用いた(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
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 問題があったのは、NSPE単体または同社を含むJVが16年4月以降に施工した477件の道路埋め戻し工事のうち350件。そのうち東京ガスの発注が337件で、京葉ガスが13件だった。道路を掘削して管路を敷設した後の埋め戻し材に、指定された「再生粒度調整砕石」ではなく「再生クラッシャーラン」を用いていた。

 再生クラッシャーランは、アスファルトやコンクリートのガラを破砕した材料で、主に下層路盤に用いる。一方、再生粒度調整砕石は再生クラッシャーランに細粒土を加えて骨材の粒度分布を整えたものだ。締め固めによって強度を発揮しやすいので、上層路盤に用いることが多い。不正発覚後の目視点検で路面のひび割れや沈下といった異常は見つかっていない。

 両者の違いは、一見しただけでは分かりにくい。そこでNSPEは、工事記録を撮影する際に黒板の記載を偽装。再生粒度調整砕石を使ったと見せかけて発注者に書類を提出した。材料の購入伝票は提出していなかった。東京ガスなどは、提出された写真だけで路盤材の材料を確認していたので不正に気づかなかった。

不正があった路盤材の構成の例。上層に再生粒度調整砕石(RM)、下層に再生クラッシャーラン(RC)を用いる仕様だった(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
不正があった路盤材の構成の例。上層に再生粒度調整砕石(RM)、下層に再生クラッシャーラン(RC)を用いる仕様だった(写真:日鉄パイプライン&エンジニアリング)
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 一連の不正は、NSPEのエリアマネジャーに当たる社員が20年9月に現場を確認して気づいた。発覚の遅れについて、同社総務部は「管路の溶接や塗装の品質確保などに気を取られ、路盤材の材料は社内の盲点だった」と説明する。