全1272文字
PR

 国土交通省は、自治体が管理する橋梁のうち定期点検で緊急または早期の対策が必要と判定される割合を約30年後にゼロにする。政府が2020年12月11日に閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」で明らかにした。

国土強靱化5カ年加速化対策で橋梁などの老朽化対策を推進する(写真:国土交通省)
国土強靱化5カ年加速化対策で橋梁などの老朽化対策を推進する(写真:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 国や自治体などは14年度から5年に1回の橋梁の定期点検を実施している。国交省によると、1巡目の点検で修繕を早期に講じる必要のあるⅢか、緊急に修繕すべき状態のⅣと判定された橋梁のうち、19年度末までに修繕に着手した割合(修繕着手率)は自治体で34%にとどまる。

 そこで、国交省は5カ年加速化対策の予算を投じ、自治体が管理する橋梁の老朽化対策を推進。最終年度の25年度に、ⅢかⅣの判定を受けた橋梁の修繕着手率を73%まで引き上げる。さらに、53年度までに、2巡目以降の点検でⅢ・Ⅳ判定を受けた橋梁を含めて100%に高める。

 修繕が必要な橋梁は年を追うごとに増えていく。そのため、国交省は全ての対象橋梁の修繕に着手できるまで41年かかると推定していた。しかし、5カ年加速化対策の予算を集中的に投じれば、達成時期を8年前倒しできるとみる。

 国交省では、Ⅲ・Ⅳ判定の橋梁の修繕に加えて、Ⅱの状態から計画的に老朽化対策を講じる「予防保全」を推進。53年度までに、修繕が必要な全ての橋梁で対策を終え、ⅢやⅣと判定される橋梁がなくなる状況を目指す。

定期点検でⅢまたはⅣと判定された橋梁のうち、2019年末までに修繕などに着手した割合。国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
定期点検でⅢまたはⅣと判定された橋梁のうち、2019年末までに修繕などに着手した割合。国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
[画像のクリックで拡大表示]