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 応用地質は、けん引式の電気探査測定器「オームマッパー」を改良して、河川堤防の弱点部分を効率的に可視化する手法を開発した。川の水が堤防背後から噴出する「パイピング」につながる堤防法尻付近の脆弱な地盤構造を詳細に把握できる。

改良したオームマッパーをけん引している様子(写真:日経クロステック)
改良したオームマッパーをけん引している様子(写真:日経クロステック)
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 パイピングは、透水層を覆う難透水性の被覆土層の厚さが、川裏側で3m未満だと発生する可能性が高い。他にも、堤防法尻付近の基礎地盤に粘性土が多い場合、川表側から浸透してきた水が川裏側で行き場をなくして地上に噴出するといわれる。川裏側の基礎地盤構造の把握が求められていた。

堤防の川裏側から発生する漏水イメージ(資料:応用地質)
堤防の川裏側から発生する漏水イメージ(資料:応用地質)
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 オームマッパーは、電極の役目を果たすケーブルでつないだ送信機と受信機をけん引するだけで地盤内を探査できる機器だ。送信機と受信機の間隔が大きいほど、探査の深度が深くなる。ただし、ケーブルの最短長さは2.3mで、縮められる間隔に限界があった。そのため、地表から1.5mまでの浅部のデータを十分に取れなかった。

改良以前のオームマッパーの概要。パイピングの主な原因である浅部の地盤構造の測定が難しい(資料:応用地質)
改良以前のオームマッパーの概要。パイピングの主な原因である浅部の地盤構造の測定が難しい(資料:応用地質)
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 そこで、ケーブルの代わりにシリンダー電極を採用した。シリンダー電極の長さは30cmと短いため、従来型と比べて送信機と受信機の間隔を狭められ、深度1.5mより浅い地盤のデータを取得できるようになった。

改良したオームマッパーの概要。従来より浅部を詳細に検出できる(資料:応用地質)
改良したオームマッパーの概要。従来より浅部を詳細に検出できる(資料:応用地質)
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ケーブルの代わりにシリンダー電極を採用した(資料:応用地質)
ケーブルの代わりにシリンダー電極を採用した(資料:応用地質)
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