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 奥村組土木興業とスペースK(東京・世田谷)は共同で、産業副産物である鉄鋼スラグを骨材や結合材に使う「スラグ固化体」を開発した。セメントを全く使わずにコンクリートと同等の強度を得られる。原材料の製造過程で排出される二酸化炭素を、一般的なコンクリートと比べて99%削減できる。

スラグ固化体の供試体。材齢7日で圧縮強度は20N/mm2だった。鉄鋼スラグは鉄鋼スラグ協会から提供してもらった(写真:奥村組土木興業)
スラグ固化体の供試体。材齢7日で圧縮強度は20N/mm2だった。鉄鋼スラグは鉄鋼スラグ協会から提供してもらった(写真:奥村組土木興業)
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 細骨材に水砕スラグ、粗骨材に製鋼スラグ、結合材となるセメントに高炉スラグ微粉末をそれぞれ使用。これらを海水で練って固化体を製造する。

 有機繊維を0.2~0.4%の混入率で添加した供試体の試験では、材齢28日の圧縮強度が最大で38.7N/mm2、曲げ強度が4.9N/mm2だった。

スラグ固化体の材料と製造手順(資料:奥村組土木興業)
スラグ固化体の材料と製造手順(資料:奥村組土木興業)
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 使用した材料は、鉄鋼スラグ協会から提供を受けている。高炉スラグ微粉末はセメント添加用、水砕スラグはコンクリート用の材料として、日本産業規格(JIS)に準拠したものを採用。製鋼スラグ粗骨材はJISではないが、他のマニュアルに準拠した品質管理されたものを使っている。

 セメントや砕石などを使わないので、原材料の製造過程で発生する二酸化炭素をほぼゼロにできる。これまではコンクリート1m3当たり、1tの二酸化炭素を排出していた。「温暖化ガスの削減効果が最も大きい。リサイクル品の有効活用と天然資源の枯渇対策にも寄与する」。開発に携わった奥村組土木興業環境開発本部工事部の多田圭一郎次長はこう話す。