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 大成建設は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減する環境配慮コンクリート「T-e Concrete」を使った土木・建築用2次製品の開発・普及を加速させる。土木や建築の資材メーカーなど8社から成る「T-e Concrete研究会」を設立。研究会では既にボックスカルバートやL形擁壁などの試作品を開発済みだ。

環境配慮コンクリートを用いたボックスカルバートとL形擁壁(写真:大成建設)
環境配慮コンクリートを用いたボックスカルバートとL形擁壁(写真:大成建設)
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 環境配慮コンクリートとは普通セメントの代わりに、産業副産物である高炉スラグやフライアッシュなどを混合したコンクリートだ。高炉スラグ微粉末を使った「セメント・ゼロ型」や「フライアッシュ活用型」、JIS(日本産業規格)に基づく材料を使う「建築基準法対応型」などに分かれる。二酸化炭素の削減率が異なる。

 二酸化炭素の排出を最も抑えられるのがセメント・ゼロ型だ。一般的なコンクリートと比較して、製造過程で生じる二酸化炭素の削減率は最大で80%。セメント・ゼロ型の場合、高炉スラグと反応を促す刺激材を質量比8対2で混ぜる。刺激材とは消石灰や炭酸カルシウム、膨張剤を適切に混ぜたものだ。

上はセメント・ゼロ型の環境配慮コンクリートの配合例。下は二酸化炭素排出量と副産物使用量の比較(資料:大成建設)
上はセメント・ゼロ型の環境配慮コンクリートの配合例。下は二酸化炭素排出量と副産物使用量の比較(資料:大成建設)
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 なおコンクリートの性能は、グリーン購入法で特定調達品目に指定されている高炉セメントB種を使用したコンクリートと同等以上だ。

 材料費は従来の2次製品と同等程度を見込む。ただ、用途によってはコスト面で大きなメリットになるケースもある。

 「セメント・ゼロ型は固まったときに青っぽい色だが、空気に触れると酸化して次第に白くなる。内壁や装飾材に使われるホワイトセメントの代わりになりそうだ」。大成建設社会基盤技術研究部材工研究室の大脇英司主幹研究員はこう話す。ホワイトセメントの費用は通常のセメントの5~6倍。セメント・ゼロ型の使用でコストを抑えられる。

試作例の1つであるシールドトンネルのセグメント。製造当初は青っぽい色をしている(写真:大成建設)
試作例の1つであるシールドトンネルのセグメント。製造当初は青っぽい色をしている(写真:大成建設)
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