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 那覇空港の連絡誘導路脇の緑地帯で2019年12月以降、約40回にわたって陥没や空洞が見つかった問題で、内閣府沖縄総合事務局は防砂シートの破損による埋め立て材の吸い出しが原因だと明らかにした。連絡誘導路の造成から1年足らずで、シートの強度が規格値の1割以下に低下していた。急激な劣化の原因は不明だ。

北側護岸沿いの緑地帯で発生した陥没。縦1.8m、横1.4m、深さ0.7m。2020年8月に撮影(写真:沖縄総合事務局)
北側護岸沿いの緑地帯で発生した陥没。縦1.8m、横1.4m、深さ0.7m。2020年8月に撮影(写真:沖縄総合事務局)
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 沖縄総合事務局が21年1月15日、専門家でつくる技術検討委員会(委員長:池田龍彦・放送大学副学長)の初会合で公表した。

 連絡誘導路は、20年3月に供用を開始した第2滑走路と既存の第1滑走路を結ぶ。陥没が生じた緑地帯を含む工区は、東亜建設工業・丸尾建設・太名嘉組JVが、18年9月~19年2月の工期で施工した。

 周りを囲む石積みの護岸や中仕切り堤の中に埋め立て材の海砂が吸い出されるのを防ぐため、護岸などの法面に防砂シートを敷設した。沖縄総合事務局開発建設部の石原正豊港湾空港指導官は「技術検討委員会では、埋め立て時に重機でシートを破損するといった作業上の問題の指摘はなかった」と話す。

陥没や空洞が発生した原因のイメージ(資料:沖縄総合事務局)
陥没や空洞が発生した原因のイメージ(資料:沖縄総合事務局)
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 21年1月9日までに陥没や空洞を確認した箇所は8地点に及ぶ。複数の箇所が相次いで陥没している地点が多い。南側の護岸付近の地点では陥没が11回起こり、その都度埋め戻している。

陥没や空洞が発生した位置(資料:沖縄総合事務局)
陥没や空洞が発生した位置(資料:沖縄総合事務局)
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 破損したシートは全て、建設資材メーカーのアケボノ(福岡県大野城市)が販売する製品だった。繊維メーカーのユニチカが販売する厚さ7mmのポリエステル製不織布を、アケボノが縫い合わせて製造した。アケボノの広報担当者によると、4年ほど前から販売しており、これまで急速に劣化した事例はない。技術検討委員会では、防砂シートの縫製部分には問題ないとみている。

 問題があった工区では、緑地帯だけでなく航空機が通る誘導路でも同社の防砂シートを使っている箇所がある。しかし、埋め立て材が岩ずりなので、吸い出される恐れはほぼないという。沖縄総合事務局は「現時点で運航に支障はない」との見解を示す。

破損した防砂シートと同じメーカーの製品の使用状況(資料:沖縄総合事務局)
破損した防砂シートと同じメーカーの製品の使用状況(資料:沖縄総合事務局)
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