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 大阪府と大阪市は、「二重行政」による高速道路や鉄道の整備の遅れを避けるため、広域行政を一元化する条例の制定に乗り出す。市が持つ都市計画の権限を府に移し、インフラ整備を進めやすくする。

 府と市は2021年1月22日に開いた副首都推進本部会議で条例の骨子を決定した。2月に始まる府と市それぞれの議会に条例案を提出。両議会で可決されれば、4月1日に施行する。

 条例では、府市協調のまちづくりを進めるため、市が持つ都市計画権限を府に事務委託する。具体的には、市街化区域と市街化調整区域の区分け、一般国道や自動車専用道路の位置や幅員などの指定、都市高速鉄道の路線の指定など7分野だ。

大阪府に一元化する都市計画権限。大阪市が持つ権限を府に事務委託する(資料:大阪府、大阪市)
大阪府に一元化する都市計画権限。大阪市が持つ権限を府に事務委託する(資料:大阪府、大阪市)
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 対象事業は、大阪市北区と門真市を結ぶ「淀川左岸線延伸部」のような高速道路整備、大阪市中心部を南北に貫く「なにわ筋線」のような鉄道整備、JR大阪駅北側の「うめきた2期」のような大規模再開発などを想定。25年の大阪・関西万博の関連事業も視野に入れる。

 ただし、府が市に代わって都市計画決定を行うのか、それとも市との合意に基づく方針・計画の作成にとどめるのかなど、制度の詳細は国土交通省と協議しながら詰める。

淀川左岸線延伸部の概要。政府の都市再生プロジェクト「大阪都市再生環状道路」の一部を構成する。大阪市北区と門真市を結び、延長は8.7km。事業主体は国土交通省と西日本高速道路、阪神高速道路(資料:国土交通省浪速国道事務所)
淀川左岸線延伸部の概要。政府の都市再生プロジェクト「大阪都市再生環状道路」の一部を構成する。大阪市北区と門真市を結び、延長は8.7km。事業主体は国土交通省と西日本高速道路、阪神高速道路(資料:国土交通省浪速国道事務所)
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 府と市はこれまでまちづくりで投資が重複するケースが多かった。例えば、1980年代後半から90年代初頭のバブル経済期に、府と市が臨海部でそれぞれ「りんくうゲートタワービル」や「大阪ワールドトレードセンタービルディング」といった超高層ビルを開発。テナント誘致などで競合し、共倒れになった。ビルを運営する第三セクターは多額の負債を抱えて破綻。住民に大きな損失を与えた。

 インフラ整備では、府と市の調整が難航し、事業が遅れるケースも目立った。淀川左岸線延伸部やなにわ筋線は、その代表例だ。いずれも、府と市が整備費の負担割合を巡って対立し、事業が進まなかった。