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 鹿島と中日本高速道路会社は、道路橋床版の補強・補修工事で、超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を現地で製造して打設する工法を共同開発した。鉄筋を使わない補強で、薄層でありながら高い耐久性を確保する。床版の増し厚を抑えられるため、下部構造の補強などは不要だ。コンクリート床版と鋼床版のどちらにも適用できる。

実証実験でコンクリート床版にUHPFRCを打設している様子。実現場を想定し、劣化が進んだコンクリート床版の一部をはつった後の鉄筋が露出した状態を再現した(写真:鹿島)
実証実験でコンクリート床版にUHPFRCを打設している様子。実現場を想定し、劣化が進んだコンクリート床版の一部をはつった後の鉄筋が露出した状態を再現した(写真:鹿島)
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 使用するUHPFRCは、プレキャスト(PCa)部材として適用される超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を、現場打ちに適した仕様に改良した補修・補強材だ。床版の勾配にレベルを合わせられるよう低流動化させている。

 UHPFRCは極めて緻密なセメント系材料を繊維で補強している。水結合材比は15%程度だ。UFCで必須の蒸気養生は行わず、通常の現場養生で事足りる。

 鹿島によると、蒸気養生を用いなくてもUFCと同等の耐久性を持つ。床版の打ち換えに適用した場合、凍結防止剤などの塩分や水の浸入を防ぐ。耐用年数は防水工を施す前提で100年と見る。

 実現場を想定したヤードで、製造から養生までの施工工程を検証する実験を行った。劣化が進んだコンクリート部分をはつった後の鉄筋を露出させた床版を再現。そこに、現地で製造したUHPFRCを打設した。現場で硬化させたUHPFRCの強度は良好で、既設床版との一体性も十分に得られることを確認した。