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 千曲川護岸の復旧工事に約1万3000カ所の施工不良が見つかった問題で、施工者の大林組は河川工事の経験を持つ技術者や作業員を大量に投入して工事を全面的にやり直す。発注者の国土交通省北陸地方整備局も、段階確認の頻度を大幅に引き上げるなど監督体制を強化する。

 同社が2021年2月9日、再施工に着手した。同年6月上旬の完成を目指す。

■千曲川の施工不良の再発防止で発注者も監督体制を強化
■千曲川の施工不良の再発防止で発注者も監督体制を強化
国土交通省北陸地方整備局は千曲川護岸の再施工に当たり、大林組から提出された不具合の改善計画書(概要版)の他に、発注者としてまとめた監督体制強化方針を発表した(資料:国土交通省)
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 施工不良が生じたのは長野県東御市内の工区だ。法留め基礎の一部未施工、法覆大型ブロックの段差や目開き、ブロック背面の胴込めコンクリートの充填不足など膨大な数に上った。大林組は、現場に配置した技術者や下請け会社の作業員に河川工事の経験者がいなかったことを施工不良発生の主な原因に挙げ、北陸地整に報告していた。

 再施工に当たって、元請けの技術者の総数を7人から22人に増やし、5人の河川工事経験者を新たに配置。以前は2人いた派遣社員の起用をやめて自社社員で固めた。下請け会社には34人の河川工事経験者を動員させる。再施工の費用は大林組が負担する。

大林組は施工不良の再発防止に努めるため、該当箇所の写真を載せたポスターを現場事務所の壁に掲示している(写真:大林組)
大林組は施工不良の再発防止に努めるため、該当箇所の写真を載せたポスターを現場事務所の壁に掲示している(写真:大林組)
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 同社は配置する技術者の人数などを具体的に記載した改善計画書を、再着工前日の2月8日に北陸地整に提出した。北陸地整河川工事課によると、発注者から人数の開示を求めたわけではなく、大林組が自主的に報告したという。再施工では休工日を設けず、1日の施工時間を12時間に延長するので、現場の人員が多く必要になったとみられる。