国土交通省は、2021年度の公共事業の積算に使う労務単価と技術者単価を21年3月1日から引き上げる。20年度第3次補正予算に盛り込んだ公共事業の円滑な遂行を図るため、1カ月前倒しで適用する。
今回は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、公共事業労務費調査などで前年度を下回った単価を据え置く特別措置を実施した。その結果、労務単価は全国・全職種の単純平均で1.2%、技術者単価は全職種の単純平均で1.6%の上昇となり、いずれも過去最高を更新した。
労務単価は47都道府県・51職種別に1日(8時間)当たりの金額を設定する。それぞれの人数の多寡を考慮して求めた加重平均は2万409円。9年連続の引き上げとなった。
労務単価の設定対象は、有効標本数が少ない地域や職種を除いて2120を数える。20年10月の調査では、このうち42%で前年度の単価を下回ったため、金額を据え置いた。この特別措置を講じなければ、改定値の伸び率は単純平均で0.4%にとどまっていた。