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 開業遅れで揺れる北陸新幹線金沢―敦賀間の加賀トンネルで、盤膨れを起こして対策中のインバートに新たなひび割れなどが見つかった。鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、ひび割れが生じたインバートの変形を抑えるため、固定ボルトを460本ほど追加する。後続の軌道工事などとの工程調整で、さらなる工期遅延は避けられる見通しだ。

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 鉄道・運輸機構が2021年2月19日、国土交通省や沿線自治体などでつくる「金沢・敦賀間工程・事業費管理連絡会議」の実務者会合である幹事会で、追加対策を説明した。

追加対策の概要(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
追加対策の概要(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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 石川県と福井県にまたがる加賀トンネルの建設事業では20年3月、地下水などの影響でトンネル底部の地盤が隆起する盤膨れを起こして、インバートにひび割れが発生する不具合を確認。延長5.5kmのうち953mの区間で対策を講じる必要が生じた。盤膨れでインバートが隆起すると、レールの高さが変化し、新幹線の運行に支障が出る恐れがある。

 そこで鉄道・運輸機構は、有識者委員会で盤膨れ対策を検討。膨張していない地下の地盤から長さ12.6mの固定ボルトで引っ張って、インバートの変形を抑える対策を決めた。対策工事には20年8月に着手。21年2月12日までに当初予定の固定ボルト1356本のうち796本の打設を完了した。北工区と中工区で対策を全て終え、南工区では21年5月末までに560本を打設する計画だった。

2020年3月に盤膨れによるインバートのひび割れを確認。北、中、南の3工区の延長計953mで対策が必要となった。対策では、固定ボルトを使ってインバートの変形を抑える(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
2020年3月に盤膨れによるインバートのひび割れを確認。北、中、南の3工区の延長計953mで対策が必要となった。対策では、固定ボルトを使ってインバートの変形を抑える(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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 しかし北、中、南の3工区で21年2月6日までに、新たなひび割れや幅が拡大している既存のひび割れが見つかる。新たなひび割れはインバート10ブロック(1ブロックの標準は10.5m)で、幅が拡大している既存のひび割れは52ブロックで、それぞれ確認できた。

加賀トンネルの南工区では、インバートに生じたひび割れの幅が拡大。2020年11月9日時点で0.3mmだった幅が21年1月15日時点では0.5mmに拡大していた(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
加賀トンネルの南工区では、インバートに生じたひび割れの幅が拡大。2020年11月9日時点で0.3mmだった幅が21年1月15日時点では0.5mmに拡大していた(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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ひび割れ(クラック)の調査結果。2021年2月12日時点(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
ひび割れ(クラック)の調査結果。2021年2月12日時点(資料:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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