全1313文字
PR

 国土交通省近畿地方整備局は、予定していた監理技術者が病気で配置できなくなり、落札した護岸工事の契約を辞退した建設会社を2021年2月24日から3カ月の指名停止とした。建設会社は代わりの監理技術者を確保できなかった。技術者不足が進む中、建設会社のリスク管理が問われている。

国土交通省近畿地方整備局は、配置予定技術者の病気療養を理由に護岸工事の契約を辞退した益田工業(和歌山市)を3カ月の指名停止とした。画像は近畿地整の公表資料の一部(写真:日経クロステック)
国土交通省近畿地方整備局は、配置予定技術者の病気療養を理由に護岸工事の契約を辞退した益田工業(和歌山市)を3カ月の指名停止とした。画像は近畿地整の公表資料の一部(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 指名停止を受けたのは、和歌山市の建設会社、益田工業。近畿地整は、同社が契約を辞退した行為を指名停止等措置要領の「不正または不誠実な行為」に当たると判断した。同地整は18年9月にも、同様の理由で契約を辞退した建設会社を3カ月の指名停止としている。代わりの監理技術者を確保できなかった建設会社の責任とはいえ、契約辞退に対する発注者の厳しい姿勢が改めて浮き彫りとなった。

 契約辞退があったのは、和歌山河川国道事務所が発注した「千旦樋門護岸他工事」だ。和歌山市内で河川土工(盛り土工5100m3)や法覆護岸工(コンクリートブロック工792m2)、樋門・樋管本体工などを実施する。受注者の発案で施工手順の工夫を行う「生産性向上チャレンジ」の試行工事やICT(情報通信技術)活用工事の対象となっていた。

 同事務所は20年12月4日に入札を公告し、21年1月18日に開札した。入札には地元の建設会社3社が参加し、益田工業が1億9500万円(予定価格比91.5%)と最も低い金額を提示。和歌山河川国道事務所が益田工業の施工体制を確認した上で、1月20日に同社を落札者に決定した。

「千旦樋門護岸他工事」の入札結果。国土交通省近畿地方整備局の資料を日経クロステックが一部加工
「千旦樋門護岸他工事」の入札結果。国土交通省近畿地方整備局の資料を日経クロステックが一部加工
[画像のクリックで拡大表示]