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 前田建設工業は、敵対的TOB(株式公開買い付け)で連結子会社化した前田道路などと経営統合する。建設用資機材の販売などを手掛ける前田製作所を含むグループ3社で、2021年10月1日に持ち株会社を設立。新会社が3社の全株式を取得し、完全子会社化する。

前田建設工業は前田道路などと経営統合する(写真:日経クロステック)
前田建設工業は前田道路などと経営統合する(写真:日経クロステック)
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 前田建設など3社が21年2月24日に基本合意した。各社が6月に開く株主総会で経営統合を正式に決める。9月29日に各社の上場を廃止し、新設する持ち株会社が10月1日に上場する。

 新会社の名称や人事などは未定だが、取締役8人のうち前田建設が2人、前田道路と前田製作所が1人ずつ指名する。残り4人は社外取締役とする。

 経営統合の目的は、前田建設が掲げる「総合インフラサービス企業」の実現だ。有料道路の運営など「脱請負事業」を拡大するため、3社の経営を一体化し、意思決定の迅速化を進める。併せて、3社で人・物・金など経営資源を相互に活用し、協業による相乗効果を高める。

前田建設工業、前田道路、前田製作所の経営統合のスキーム(資料:前田建設工業)
前田建設工業、前田道路、前田製作所の経営統合のスキーム(資料:前田建設工業)
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経営統合する3社の概要(資料:前田建設工業)
経営統合する3社の概要(資料:前田建設工業)
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 一方で、前田建設による前田道路への敵対的TOBで生じたグループ内の亀裂の修復とガバナンス(企業統治)の強化を図る狙いもあるとみられる。

 前田建設は20年1月、持ち分法適用会社(当時)の前田道路を子会社化するため、同社へのTOBを発表した。しかし、前田道路が猛反発。総額535億円の特別配当計画やNIPPOとの資本・業務提携協議を打ち出し、TOBに対抗した。さらに、前田道路の労働組合が組合員の大量離職の可能性を示唆しながら、TOBへの反対を表明した。

 結局、20年3月にTOBが成立。前田建設が前田道路の発行済み株式総数の51%を取得し、同社を連結子会社化した。その後、前田建設が前田道路の経営陣を刷新。同社の代表取締役2人、取締役1人、執行役員2人に自社の人材を充て、経営への関与を強めた。