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 カヤバシステムマシナリー(KSM)製の制振オイルダンパーで検査データの改ざんが発覚したことを受け、国土交通省北陸地方整備局は新湊大橋に使用している同社製ダンパー24本を全て交換する。工事期間は2021年4月12日から3カ月程度を予定。工事中は、2車線のうち片方を規制して交互通行とする。

新湊大橋の制振オイルダンパー設置場所(資料:国土交通省北陸地方整備局)
新湊大橋の制振オイルダンパー設置場所(資料:国土交通省北陸地方整備局)
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 KSMは、大手油圧機器メーカーであるKYBの100%子会社だ。KYBは18年10月、KSMが03年以降に生産した免震用と制振用のオイルダンパーで、検査データの改ざんがあったと発表した。問題のダンパーを使用した構造物は、建築物を中心に約1000件に上る。その中に、12年9月に開通した新湊大橋が含まれていた。

 新湊大橋は、富山県射水市の富山新港に架かる。主橋梁部の長さが600mの5径間連続鋼・コンクリート複合斜張橋だ。地震による揺れの低減のため、2基の主塔にそれぞれ12本の制振オイルダンパーを設置している。それらのダンパー全ての検査データに、不正があったとみられる。

 不正の判明を受け、北陸地整はKYBに対して橋の安全性の検証などを指示。20年3月に同社から検証結果の報告を受けた。

 KYBによると、不正には「係数書き換え」と「原点調整」の2種類があった。試験で得られた減衰力が基準内に入るように、係数を乗じて値を調整。それでも基準内に収まらない場合などに、減衰力の中央値を原点に移動させて値を変えていた。

カヤバシステムマシナリーによる不正の概要(資料:KYB)
カヤバシステムマシナリーによる不正の概要(資料:KYB)
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 係数書き換えについては、製造当時の検査記録を基に検証。その結果、基準値からの乖離(かいり)が+10.1%、+10.8%と、許容範囲の±10%を超えるダンパーが2本判明した。

 原点調整に関しては当時の記録が残っていなかったので、他のデータなどを基に推定。前述の2本以外に、許容範囲を超えるダンパーはないと判断した。