全1515文字
PR

 地震や水害が多発する日本において、ボランティアは復旧支援に欠かせない。建設業界でも、災害協定に基づく復旧工事だけでなく、NPOとの連携による支援活動などに従事する企業が近年増えている。そんな支援者を支える保険が新たに生まれた。

 一般社団法人のFUKKO DESIGNは2021年4月1日、NPOなど災害支援団体や個人が募集する災害時のボランティア活動を対象にした新しい保険「しえんのおまもり」の提供を開始した。多様化、高度化するボランティア活動に対応して、従来の保険を補完する役割が期待される。

しえんのおまもりのウェブページのトップ画面。ボランティアのマッチングサービス「スケット」のウェブページからアクセスできる。スマートフォンなどで簡単に申し込める(資料:FUKKO DESIGN)
しえんのおまもりのウェブページのトップ画面。ボランティアのマッチングサービス「スケット」のウェブページからアクセスできる。スマートフォンなどで簡単に申し込める(資料:FUKKO DESIGN)
[画像のクリックで拡大表示]

 これまでの災害時のボランティア保険は、各地の社会福祉協議会などが運営する災害ボランティアセンターを経由して実施する活動が対象だった。同協議会に登録、届け出、または委嘱によって認められた活動なので、生活支援を目的とした住宅の泥かきや片付けなど、安全な作業が多い。

 一方、近年では同センターを経由せずにNPOを介したり、SNS(交流サイト)などを通じてCtoC(Consumer to Consumer、個人間取引)で被災者とボランティアによる支援者が直接やり取りしたりするケースが増え始めている。例えば、16年の熊本地震では、NPO経由などのボランティアスタッフは10万9000人・日程度。災害ボランティアセンターを通じた活動者数とほぼ同じだったという。

 FUKKO DESIGNの木村充慶理事は次のように話す。「CtoC募集の普及で、幅広いタイプのボランティア活動を長い期間にわたり継続してできるようになった。支援の効果については行政も認識していたが、ボランティア活動時の事故に対して賠償責任をどう担保するのかが課題として指摘されていた」

19年の台風15号では、CtoCでボランティアを募集するだけでなく、支援者側が自らできることを発信する“逆”募集が始まった(資料:FUKKO DESIGN)
19年の台風15号では、CtoCでボランティアを募集するだけでなく、支援者側が自らできることを発信する“逆”募集が始まった(資料:FUKKO DESIGN)
[画像のクリックで拡大表示]

 実際に被災地では、チェーンソーを使った草刈りや屋根のブルーシート張りなど、ボランティア活動は単なる泥かき以上に高度化。災害ボランティアセンターの保険では賄えないような活動が常態化していた。