全1312文字
PR

 国土交通省が推進する建設業の働き方改革が中小建設会社に浸透していない実態が、全国中小建設業協会の調査で浮き彫りとなった。

 中でも、技能者の処遇を改善して担い手不足の解消を図る建設キャリアアップシステム(CCUS)への不満は根強い。導入しないと答えた会社が全体の4割を占める。建設現場の週休2日制に対する不満もくすぶる。主要な発注元である市町村の認識不足が事態を助長している可能性がある。

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設現場の入退場データを基に就業履歴を蓄積し、技能者の処遇改善を図る。技能者はICカードをかざして入退場する(写真:日経コンストラクション)
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設現場の入退場データを基に就業履歴を蓄積し、技能者の処遇改善を図る。技能者はICカードをかざして入退場する(写真:日経コンストラクション)
[画像のクリックで拡大表示]

 全中建が傘下団体の会員企業2260社を対象に、2020年10~12月にアンケートを実施。働き方改革への対応などを尋ね、696社から回答を得た。

 CCUSについては「導入済み」が23.4%と前年の調査から倍増したものの、「導入しない」が39.8%と最も多い。導入しない理由では「費用負担ができない」が48.8%に上る。「運営の赤字補填のために値上げされた」と恨み節も漏れる。

 ある専門工事会社は、従業員が技能労働と管理業務を兼任し、1日に複数の現場に出入りする。元請けとして受注するときもある。管理が複雑になるため、導入が難しいと訴える。

 別の会社は、小規模な工事では1人の作業員が複数の職種を兼務するため、登録に必要な工種設定ができないと困惑する。山間部の小規模な工事では、現場事務所を設置できず、ネットワーク環境を整えられないケースがあるという。

 「CCUSのシステム設計者は、地方の中小建設業への理解が足りない。土木一式の現場では、会社も技能者も負担増にしかならない」といった批判もある。