北海道石狩市内の国道231号の盛り土が一部崩れ、路面に亀裂が生じた。この盛り土では半年前の2020年10月の定期点検で法面に変状が確認されていた。道路を管理する国土交通省北海道開発局札幌開発建設部は、盛り土全体が崩壊する恐れがあるとみて対策を急ぐ考えだ。
21年4月19日午前10時半ごろ、道路の維持業務を担当している建設会社の社員が車で巡回中に法肩の路面に亀裂を見つけた。札幌開発建設部の職員らが直下の法面を確認したところ、幅約25m、長さ約50mにわたる範囲で土砂が数カ所崩れていた。
札幌開発建設部は、4月19日正午から崩壊箇所を含む石狩市内の約11kmを通行止めとした。翌20日夜、延長40mにわたって道路に鋼矢板を約100枚打設する応急対策に着手。完了後に山側の車線を使った片側交互通行にして、本復旧に取り組む方針だ。
崩壊箇所のある盛り土区間の延長は約200mで、最大法高は約24m。1976年に供用を開始した。記録が残る91年以降の30年間で同様の変状は生じていなかった。
ただ、2020年10月に実施した盛り土の定期点検では、法面の凹凸や草木の肌落ちなどの変状を確認。道路の機能に支障はないものの詳細な調査や定期的な観察が必要な「経過観察段階」と判定した。
札幌開発建設部は判定結果を受け、21年春の雪解け後に改めて法面の点検を行う予定だった。その矢先に今回の変状が生じた。