京都府舞鶴市は支承の鋼製ローラーの破損で通行止めとなっている「舞鶴クレインブリッジ」について、ローラーを同じ材質で作り直して復旧する方針を決めた。2021年3月に復旧工事を発注しており、同年10月末の供用再開を目指す。工事期間8カ月のうち6カ月をローラーの製作と品質確認に充てる。
同橋は関西電力が工事用道路の一部として1999年に架設し、舞鶴市に移管した。延長は735mで、そのうち672mが3径間鋼斜張橋だ。市は2020年9月、西側主塔で2基のピポットローラー支承に組み込まれたローラー4本のうち3本の破損を発見。同橋を全面通行止めにした。その後、舞鶴高専の玉田和也教授を会長とする専門家会議を設置し、破損した原因の調査と復旧方法の検討に取り組んだ。
支承を製造した会社は既に同事業から撤退しており、詳細な製造記録は残っていなかった。そこで、市は関西電力が残していたミルシート(検査証明書)などを基に専門家会議で調査。製造時の焼き入れでローラー内部の硬度が高くなり過ぎて延性を欠き、放射状のひび割れが発生していたと推定した。このひび割れが供用開始後の荷重で拡大し、ローラーの破壊に至ったとみた。