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 建設業で新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた倒産が増えている。帝国データバンクの調査では、「建設・工事業」の倒産件数は「飲食店」に次いで2番目に多い。倒産件数が業種別で2位となった2021年1月以降は、他業種との差が広がっている。コロナ禍の収束の見通しが立たない中、建設業の関連倒産が今後も増えていく恐れがある。

2021年5月31日までの業種別倒産件数上位の累計。全業種の累計は同時点で1529件に上る(資料:帝国データバンク)
2021年5月31日までの業種別倒産件数上位の累計。全業種の累計は同時点で1529件に上る(資料:帝国データバンク)
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 帝国データバンクが21年5月31日に発表した「新型コロナウイルス関連倒産動向調査」によると、最初のコロナ倒産が確認された20年2月以降、累計件数は1500件を超えた。業種別では「飲食店」が254件と最も多く、次いで「建設・工事業」の148件、「ホテル・旅館」の89件、「アパレル小売り」の76件と続く。

 これら上位4業種のうち、建設・工事業を除く3業種は、コロナ禍に伴う人の移動の減少に加え、国や自治体による休業・時短営業要請の影響を直に受けた。中でも、飲食店への打撃は大きく、コロナ倒産件数は突出して多い。

 建設・工事業は、飲食店を追うようにコロナ倒産が増えている。20年10月末までのコロナ倒産の累計は43件で、アパレル小売り(41件)と同水準だった。ところが、半年後の21年5月31日時点では、アパレル小売りの約2倍に膨らんだ。

 建設・工事業のコロナ倒産の大半を占めているのが、内装工事や電気工事を手掛ける中小・零細規模の建設会社だ。店舗や施設の定期的な新設・改修需要を見込める飲食店やホテル・旅館、アパレル小売りの業績不振に伴い、連動して経営が悪化している。

 特に、飲食店を得意先とする建設会社の状況は厳しい。飲食店は全国に約140万店を数え、業態も多岐にわたる。流行の変化は速く、店舗の新設や改修が頻繁に発生している。しかしコロナ禍で、飲食店の工事需要は急激に冷え込んでいる。

(資料:帝国データバンク)
(資料:帝国データバンク)
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