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 政府はインフラ分野のデジタル化とグリーン化の推進に向け、2025年度までの数値目標を掲げた。例えば、国の直轄土木事業ではICT(情報通信技術)活用工事の実施率を9割に、市町村の「緑の基本計画」では作成・改定時にグリーンインフラを位置付けた割合を7割に、それぞれ設定。2021年5月28日に閣議決定した第5次社会資本整備重点計画に明記した。

第5次社会資本整備重点計画の概要(資料:国土交通省)
第5次社会資本整備重点計画の概要(資料:国土交通省)
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 重点計画では、おおむね5年ごとに重点目標を定め、その達成に向けた具体的な取り組みと重要業績評価指標(KPI)を示す。03~07年度の第1次計画を皮切りに、これまで4回にわたって計画を作成してきた。

 第5次計画の対象期間は、21~25年度の5年間。重点目標として、「防災・減災」「インフラメンテナンス」「持続可能な地域社会の形成」「経済成長を支える基盤整備」といった第4次計画の4つに、インフラ分野の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」と「脱炭素化」の2つを加えた。

 重点目標の達成に向け、国や自治体、企業、住民が連携する「主体の総力」の他、ハードやソフトなどあらゆる施策を組み合わせる「手段の総力」、整備だけでなく維持管理や利活用の段階まで視野に入れる「時間軸の総力」という3つの総力を挙げて社会資本整備を進める。インフラの整備や維持管理、利活用の各段階で工夫をこらした新たな取り組みを行う「インフラ経営」の視点も取り入れる。

 新たに掲げたインフラ分野のDXでは、建設生産プロセスでの3次元データの活用やICT施工を推進する。例えば、3次元計測データを活用した3次元河川管内図の整備率を17%から100%へ、国の直轄土木事業でのICT活用工事の実施率を79%から88%へ向上させる。併せて、国土や経済活動、自然現象など様々なデータを連係する「国土交通データプラットフォーム」の構築を進める。連係するデータ数は約22万件から約150万件へ増やす。

「国土交通データプラットフォーム」のイメージ。様々なデータを同じ地図に重ねて表示する。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)はデータをやり取りする仕組み(資料:国土交通省)
「国土交通データプラットフォーム」のイメージ。様々なデータを同じ地図に重ねて表示する。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)はデータをやり取りする仕組み(資料:国土交通省)
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 インフラ分野の脱炭素化では、燃費性能に優れた建設機械の普及を進め、建機からの二酸化炭素の排出量を削減する。例えば、油圧ショベルは3.1万tから22.9万tへ、ホイールローダーは0.2万tから4.4万tへ、ブルドーザーは0.2万tから1万tへ、削減量を上積みする。グリーンインフラの取り組みも推進。事業化した自治体数を3から70へ、市町村の「緑の基本計画」で位置付けた割合を41%から70%へ、それぞれ引き上げる。