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 最先端の自動化施工で建設現場の「工場化」を進めているCSG工法の成瀬ダム(秋田県東成瀬村)で、完成時期が計画の2024年度から2年遅れる見通しとなった。事業費も約1530億円から700億円ほど増える予定だ。

成瀬ダムの基本計画の変更の概要。基本計画は2001年に作成。変更は3度目。コストの削減を図ったが、増額分を補えなかった(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
成瀬ダムの基本計画の変更の概要。基本計画は2001年に作成。変更は3度目。コストの削減を図ったが、増額分を補えなかった(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
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基本計画の変更の経緯。事業費の増額は初めて(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
基本計画の変更の経緯。事業費の増額は初めて(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
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 労務費や資材費の上昇に加え、ダム本体の基礎掘削で強度の低い岩盤が見つかるなど、想定外の事態が相次いで発生。対策工事などで工期の延長と費用の増額が必要となった。事業を担当する国土交通省東北地方整備局成瀬ダム工事事務所が21年5月31日に明らかにした。

 成瀬ダムは、総貯水容量7850万m3、堤高114.5mの国内最大級の台形CSGダムだ。堤体の施工は鹿島・前田建設工業・竹中土木JVが手掛けている。

成瀬ダム本体工事の様子。写真は2020年11月時点(写真:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
成瀬ダム本体工事の様子。写真は2020年11月時点(写真:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
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 成瀬ダムでは、砂れきをセメントで固めたCSGと呼ぶ材料で堤体の大部分を構築する。材料が手近で得られる上に、粒度調整や洗浄の必要がないため、簡易な設備や汎用機械を使える。施工の簡略化や高速化、コスト削減が図れる。

 鹿島JVはこの現場で、自律運転が可能な無人重機を大量に投入して、「工場」のような高い生産性の実現を目指している。ところが、そうした先端技術が真価を発揮する前に、想定外の問題が次々と起こった。

コストの増加分と削減分の内訳(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
コストの増加分と削減分の内訳(資料:国土交通省成瀬ダム工事事務所)
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