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 清水建設とデンカは、生コンクリートの凝結が始まる時間を調整して早期の仕上げ作業を可能にする「アドバンストコンクリートフィニッシュ(ACF)工法」を実工事に初めて適用した。気温5度の低温下でも、打ち込みから1時間ほどで仕上げ作業に着手できる。作業員の負担軽減やひび割れ防止に効果があると確かめた。

ACF工法で使う混和材はサルフォ系塩を主成分とする無機系の粉末。セメントや水と混ぜ合わせることで、初期の水和反応を緩やかに促進する。発熱などのデメリットもない(写真:清水建設)
ACF工法で使う混和材はサルフォ系塩を主成分とする無機系の粉末。セメントや水と混ぜ合わせることで、初期の水和反応を緩やかに促進する。発熱などのデメリットもない(写真:清水建設)
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 スラブなどの打設では通常、打ち込み後にセメントの水和反応が進むのを待ち、凝結が始まってから表面をコテなどで仕上げる。気温が低いと水和反応に時間がかかるので、冬季や寒冷地では午前中に打ち込んでも夜遅くまで仕上げ作業に着手できない場合があった。作業員の労務時間が長くなるうえ、表面に浮き出るブリーディング水が増えて品質の低下を招く。

 ACF工法では、初期の水和反応だけを促進する粉末状の混和材「デンカACF材」を使用。現場に到着した生コン車に投入して撹拌(かくはん)する。硬化して所定の強度を発揮するまでの期間は、通常のコンクリートと同じだ。

 デンカACF材を多く投入するほど、凝結の開始時間は早くなる。例えば気温が10度の場合、コンクリート1m3につき2kgを加えれば2時間早まり、6kgを添加すると6時間早まる。投入量と凝結開始時間の相関を明らかにしているので、マニュアルを参考に投入量を決めればよい。現場の条件に応じて調節すれば、気温に左右されずに凝結の時間をコントロールできる。

ACF工法の効果。横軸が時間で縦軸が貫入抵抗値。黒線が気温20度の標準期、青線が冬季の挙動を示す(資料:清水建設)
ACF工法の効果。横軸が時間で縦軸が貫入抵抗値。黒線が気温20度の標準期、青線が冬季の挙動を示す(資料:清水建設)
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