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掘削した土砂を管理しやすく

 その上で、外環道の陥没事故は掘削土砂の取り込み過ぎが原因と考えられることを踏まえ、従来の施工計画を見直した。

 外環道ではシールド機の掘進実績を基に、掘削したと考えられる地山の体積の±10%を1次管理値、±20%を2次管理値に設定。排土量が管理値を超えないことを確認しながら施工していた。

 東日本高速道路会社は陥没事故を受け、再発防止策として1次管理値を±7.5%、2次管理値を±15%以内にそれぞれ引き下げた。JR東海もリニア事業で同じ値を採用し、掘削土砂量を厳格に管理する。

 加えてこの工区で使うシールド機には、掘削土砂を排出するスクリューコンベヤーとは別にチャンバー内から土砂を試料として取り出す「土砂サンプリング装置」を装備していると説明した。装置はシールド機の上部と中段に1基ずつある。

土砂サンプリング装置を2基装備している(資料:JR東海)
土砂サンプリング装置を2基装備している(資料:JR東海)
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 掘削土砂の量は通常、排土の重さやボーリング調査に基づく地山の比重、加えた添加材の量などから推計している。そのため、実際に掘削した土砂の量と比べてずれが生じやすい。

 土砂サンプリング装置を使えば掘削土砂の比重を高い精度で把握できるので、シールド機が取り込む土砂の量を管理しやすくなる。さらに、掘削土の流動性や粒の大きさなどが随時把握できるため、チャンバー内の土砂を安定した掘削に適した状態に保ちやすくなるという。

 この他、掘削土に混ぜる添加材の種類や量を掘削場所に応じて適切に変えるために土砂の試験サンプルを増やす。

シールドトンネル工事における主な取り組み(資料:JR東海)
シールドトンネル工事における主な取り組み(資料:JR東海)
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 外環道の陥没事故を巡っては、被害住民を支援する弁護団が「事前の地盤調査が不十分だったのではないか」と主張している。JR東海はこの点について「これまでのボーリング調査を通じてリニア事業では地質を十分に把握しており、有識者からも妥当だとの意見を得ている」と述べた。