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 2030年度の開業を目指して工事が進む北海道新幹線の新函館北斗―札幌間で、予定から2年半ほど遅れている札樽(さっそん)トンネル2工区の掘削作業が21年秋に始まる見通しとなった。自然由来の重金属などが環境基準を超える「要対策土」の発生が見込まれるため、処分地の確保が難航していた。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構と札幌市は、要対策土の受け入れについて住民の理解を得るため「オープンハウス」を開催。写真は2020年11月に手稲山口地区で開いたオープンハウスの様子(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
鉄道建設・運輸施設整備支援機構と札幌市は、要対策土の受け入れについて住民の理解を得るため「オープンハウス」を開催。写真は2020年11月に手稲山口地区で開いたオープンハウスの様子(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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 事業主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は21年6月24日、手稲山口地区(札幌市手稲区)での要対策土受け入れについて、札幌市と協定を結んだと発表した。

 札樽トンネルは、札幌と小樽を結ぶ延長約26.2kmのトンネルで、5工区に分けて工事を進めている。要対策土の発生が見込まれるのは、NATM工法で掘削する星置と富丘の2工区(延長計約8.9km)。当初は18年12月の掘削開始を予定していた。

北海道新幹線の札樽トンネルと要対策土の受け入れ候補地。鉄道・運輸機構の資料と取材を基に日経コンストラクションが作成
北海道新幹線の札樽トンネルと要対策土の受け入れ候補地。鉄道・運輸機構の資料と取材を基に日経コンストラクションが作成
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 しかし、住民の反対などから要対策土の受け入れ先が見つからず、掘削に着手できなかった。鉄道・運輸機構は札幌市と共に、事業に関する住民との対話の場である「オープンハウス」などを開催。こうした活動を通じて、おおむね地域の理解が得られたと判断した。

 星置・富丘工区では115万m3の要対策土の発生を見込んでおり、そのうち約90万m3を手稲山口地区で受け入れる。市がごみの最終処分場として確保していた土地のうち、約21haを使用する。

 両工区で発生する要対策土の受け入れに関しては、山本地区(札幌市厚別区)と金山地区(同手稲区)も候補に挙がっている。この2地区を含めて、残りの要対策土の受け入れについて調整を続ける。