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 国土交通省は、施工管理技士などの資格の不正取得や粗雑工事の再発を防止するため、監督処分の基準を改定して罰則を強化する。資格を不正に取得した技術者を工事現場に配置した企業への罰則を新設する他、粗雑工事が判明した場合の罰則を重くする。資格取得のための技術検定に関する受験禁止措置の基準も見直す。

現行の規定と改定案の概要。赤字は変更箇所を示す。国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成
現行の規定と改定案の概要。赤字は変更箇所を示す。国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成
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 国交省は2021年6月21日に改定案を公表し、意見募集を開始した。7月末までに新基準の適用を始める方針だ。

監督処分基準の改定について、2021年7月20日まで意見を募集している(資料:国土交通省)
監督処分基準の改定について、2021年7月20日まで意見を募集している(資料:国土交通省)
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 現行の基準では、資格要件を満たさない主任技術者や監理技術者を現場に配置した企業などに15日以上の営業停止処分を科している。改定案では、実務経験を偽るなどして施工管理技士資格や監理技術者資格者証を不正に取得した者を、監理技術者などとして配置した企業への罰則を新設。資格要件の不備などよりも長い30日以上の営業停止処分とする。

 施工段階での手抜きなどで工事目的物に瑕疵(かし)が生じた場合の処分も重くする。粗雑工事を行った企業に科す営業停止処分の期間を現行の7日以上から15日以上に延長。加えて、該当工事で低入札価格調査が行われていた場合は30日以上の営業停止とする規定を新設する。

 監督処分基準の改定と併せて、技術検定の不正に対する罰則も強化する。受検資格に関する認識不足など故意でない申請ミスであっても不正行為と見なし、受検を1年間禁止する。替え玉受検や無資格受検など故意による不正行為は、従来通り3年間の受検禁止とする。

 19年度にハウスメーカーなどで発覚した資格の不正取得を受け、国交省は技術検定不正受検防止対策検討会(委員長:遠藤和義・工学院大学建築学部教授)を設置して再発防止策を検討してきた。今回の改定案は、同検討会が20年11月に提言した監督処分の厳罰化などを反映している。