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 国土交通省の有識者会議は、2065年までと定めている高速道路の有料期間の延長を求める中間答申をまとめた。現行の制度では、想定以上に劣化した高速道路の更新や修繕に必要な財源を確保できないと結論づけた。国交省が21年8月4日に中間答申を公表した。

 答申では、長期的な見通しを立てるのは難しいとして、具体的な有料期限は言及していない。国交省は高速道路を将来無料開放するとの原則を取り下げていないものの、永久有料化が現実味を帯びてきた格好だ。

東日本高速道路会社が管理する京葉道路。無料開放の予定時期が何度も延期された(写真:日経コンストラクション)
東日本高速道路会社が管理する京葉道路。無料開放の予定時期が何度も延期された(写真:日経コンストラクション)
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 これまで道路は無料を原則としている。高速道路については利用者から料金を徴収し、建設や維持管理の費用に充ててきた。日本高速道路保有・債務返済機構が債務を完済したら、道路を国や自治体に引き渡し、無料開放する。その後にかかる維持管理費用は、税金で賄う計画となっている。

道路整備特別措置法などに基づく有料道路制度の経緯(資料:国土交通省)
道路整備特別措置法などに基づく有料道路制度の経緯(資料:国土交通省)
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 道路関係4公団を05年に民営化した際、約40兆円に上っていた債務を50年までに返済すると法律で定めた。しかし、12年に起こった中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故などを受け、民営化時点で見込んでいなかった大規模更新・修繕を事業計画に追加。その費用を賄うため14年、有料期限を65年に延ばした。

 今回の答申は、さらに有料期限を延長すべきだとの考えを示した。その理由として、14年度から実施してきた5年に1度の定期点検で、想定以上の損傷を発見したことを挙げる。

 例えば、50年程度の耐久性を見込んで補強した橋梁の床版で、想定よりも早く補強材が劣化していた。修繕しても性能が十分に回復しない事例などが判明し、更新費用を上乗せする必要が生じた。答申では、現行の制度で財源を確保するのは「不可能」と明記している。

5年に1度の定期点検で、事業を追加する必要性が明らかになった(資料:国土交通省)
5年に1度の定期点検で、事業を追加する必要性が明らかになった(資料:国土交通省)
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