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 繊維資材メーカーの小泉製麻(神戸市)は、コンクリート表面の微細なクラックを修復する炭酸ナノバブル水の噴霧器を開発している。2021年春に、東京大学大学院の野口貴文教授らの研究成果を独占的に実施できるライセンス契約を締結した。

水中で直径1マイクロメートル以下のナノバブルを発生させている様子。このバブルをタンク内の水の中にため込みナノバブル水としてコンクリートへ向け噴霧する(資料:小泉製麻)
水中で直径1マイクロメートル以下のナノバブルを発生させている様子。このバブルをタンク内の水の中にため込みナノバブル水としてコンクリートへ向け噴霧する(資料:小泉製麻)
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 野口教授らの研究成果は、水に二酸化炭素(CO2)の微細な気泡を含ませた炭酸バブル水をコンクリートに散布すると、コンクリート内の水酸化カルシウムとCO2が反応して、炭酸カルシウムを形成。ひびなどの隙間を埋める。コンクリートの高密度化、低空隙率化、低吸水率化が図れる。

 「炭酸バブル水の微細な霧を、薬剤を散布するように吹きかける装置を開発している」。小泉製麻の安立剛士戦略推進事業部門長は明かす。

 既設のコンクリートの修復以外に、新設する2次製品のコンクリートなどの高品質化にも適用が可能だ。安立部門長は「新設時のコンクリートは水酸化カルシウムの量が多いので、反応しやすいだろう」とみる。

 今後、試作機でナノバブルの比率や必要な水酸化カルシウムの量を量りながら、コンクリート1m2当たりで固定可能なCO2の量を測定するなどして、製品化を目指す。

 小泉製麻は噴霧器をコンクリートの2次製品メーカーや施工会社に貸し出して、噴霧した数量で使用料を徴収する事業スキームを検討している。噴霧器の貸し出しの台数は3年間で50台を目指す。

噴霧器のイメージ。作業員が押しながら移動できる方式を開発している(資料:小泉製麻)
噴霧器のイメージ。作業員が押しながら移動できる方式を開発している(資料:小泉製麻)
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