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 東京都葛飾区の中川沿いの低地にある新小岩公園で、洪水時の防災拠点となる高台などを整備する事業が再始動した。区は以前、他の工事の建設残土を受け入れる見返りに、その事業者に整備費用を負担してもらう計画を国土交通省と立案。しかし、事業者が現れず頓挫していた。高台の規模を大幅に縮小するなど計画を見直したうえで2021年8月17日、基礎調査と概略設計の入札を公告した。

公園西部の都道315号沿いに高台を整備する。葛飾区の資料に日経クロステックが加筆
公園西部の都道315号沿いに高台を整備する。葛飾区の資料に日経クロステックが加筆
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 葛飾区は16年に、公園面積約4.7haのうち約8割に当たる区画に高さ約6mの盛り土で高台を整備する事業を計画。国内の大規模工事で発生する建設残土を受け入れる仕組みを検討した。だが、土を一時的に受け入れる場所がないことや実施時期の都合がつかないことなどから、応募が集まらなかった。

 その後、区は計画の見直しに向けて近隣住民とのワークショップや意見の一般公募を実施。20年10月に再整備の基本構想をまとめ、具体的な施設配置を検討してきた。21年7月12日に再整備の基本計画を公表した。

 区の構想や計画の資料によると、公園全体を大きく6つのゾーンに分ける予定だ。公園の西側にL字形の高台を設け、高台の北側に防災資材を保管する屋内施設、南側に斜面の広場をそれぞれ配置して高台と接続する。

 東側にはイベント利用を想定した広場のほか、野球やフットサルなどができるグラウンド、スケートボードなどの利用を想定した小規模なスポーツ広場を整備する。

 高台の主要な機能は避難場所ではなく、災害時の物資輸送や救助活動のための拠点を想定している。地域一帯の浸水時には、近隣建物の上階に避難する人々への物資供給や応援の受け入れに使う。

洪水時に想定する高台の主な機能。物資輸送や応援受け入れの場所を確保する(資料:葛飾区)
洪水時に想定する高台の主な機能。物資輸送や応援受け入れの場所を確保する(資料:葛飾区)
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 高台の大きさは約100m四方で、過去の計画と比べると3分の1以下に縮小する見通し。区は今後の設計に応じて詳細を決める予定だ。