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 東亜道路工業と土木研究所は、アスファルト混合物の舗設時の熱で融解する接着防水材で、床版とアスファルト舗装を一体化する「樹脂防水一体型アスファルト舗装」を共同開発した。福岡高速5号線で試験施工して、性能を確認済みだ。

接着防水材の塗布が完了した状態(写真:東亜道路工業)
接着防水材の塗布が完了した状態(写真:東亜道路工業)
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樹脂防水一体型アスファルト舗装の舗装断面のイメージ(資料:東亜道路工業)
樹脂防水一体型アスファルト舗装の舗装断面のイメージ(資料:東亜道路工業)
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 開発した舗装工法は、コンクリート床版と鋼床版のいずれにも適用可能だ。基層には通常のアスファルト混合物が使える。特別な施工機械は不要で、一般的なアスファルト舗装と同じ機械編成で施工できるため、汎用性が高い。

 接着防水材には加熱すると液状になる植物由来のポリアミド樹脂を使用した。エポキシプライマーを塗布して5号ケイ砂を散布した後の床版上に、1m2当たり3kgと多量の接着防水材をレーキやはけなどを使って塗布。その上に基層を舗設する。アスファルト混合物の熱によって接着防水材が融解し、アスファルト混合物の底部に浸透して接着剤の役目を果たす。

エポキシプライマーを塗布した後に、5号ケイ砂を散布している様子(資料:東亜道路工業)
エポキシプライマーを塗布した後に、5号ケイ砂を散布している様子(資料:東亜道路工業)
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 床版、防水層、舗装が一体化することで、床版に対して高い防水性能を発揮する。加えて、剛性が均一になるため、リフレクションクラックの発生リスクも低減する。

 わだち掘れの抑制効果は動的安定度試験で確認済みだ。供試体が1mm変形するまでに必要な車輪の通過回数は、3000回以上だった。鋼床版に主に適用される従来のグースアスファルト舗装では、300~600回程度だ。

 一般に、形状が複雑で、縦・横桁と床版部分で剛性が異なる鋼床版への舗装では、流し込み施工が可能なグースアスファルト舗装が適用される。ローラーによる転圧が不要で、変形追随性や水密性の高さが利点だ。しかし、わだち掘れの発生が課題だった。加えて、流動性を持たせるための加熱混合装置を備えた車両や、専用の施工機械が必要だった。