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 小規模な工事現場で遅れているICT活用を促すため、国土交通省は安価で汎用性が高い新技術の導入に向けた施工要領を2021年度内に取りまとめる。3次元レーザースキャナー(LiDAR)を搭載したスマートフォンによる出来形測量や、操縦者を補助するマシンガイダンス(MG)の機能を建機に追加するシステムを活用。施工規模に応じてICTを使い分ける仕組みをつくる。

 21年8月27日に開いた「ICT普及促進ワーキンググループ(座長:建山和由・立命館大学教授)」の初会合で方針を示した。今後、同省の国土技術政策総合研究所に設けた建設DX実験フィールドで新技術を試行。22年度からの現場導入を目指す。

従来のICT施工は、マシンコントロール機能を搭載した中型の建機など大規模な施工現場に適した技術の活用が多かった。工事の規模や内容に応じてICT機器を使い分ける仕組みをつくる(資料:国土交通省)
従来のICT施工は、マシンコントロール機能を搭載した中型の建機など大規模な施工現場に適した技術の活用が多かった。工事の規模や内容に応じてICT機器を使い分ける仕組みをつくる(資料:国土交通省)
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 ワーキンググループでは、施工要領に盛り込む技術の具体例を示した。建機に後付けできるMGシステムとして挙げたのが、トプコンの「杭ナビショベル」やEARTHBRAIN(アースブレイン、東京・港)の「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」だ。小規模な現場で使いやすい6t未満の小型バックホーに対応する。

 バックホーのブームなどに取り付けた小型センサーで位置を把握し、操縦室に設置したタブレット端末にガイダンスを表示する。刃先の位置や設計図を画面で確認しながら操縦できるようになる。通常の建機で使えるので、ICT建機の購入やレンタルのコストを抑えられる。

 LiDAR付きのスマホやタブレット端末は、土工事などの出来形計測に活用する。近年、iPhoneやiPadなど市販の端末で、LiDARを搭載した機種が登場している。そうした機材を用いた土量計測システム「オプティム・ジオ・スキャン」や、大成ロテックによる出来形管理システムの活用を検討する。

 レーザースキャナーに関しては、ドローンや地上型の製品を用いた土工事の出来形計測要領を既に作成済みだ。ただし、いずれも専用の機材が必要なため、小規模な現場では導入のハードルが高かった。