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 国道228号の覆道(シェッド)で3tのコンクリート片が剥落した事故は、塩害対策の表面被覆で水分が頂版のコンクリート内部に閉じ込められ、浮きの範囲が広がった可能性があることが分かった。覆道を管理する国土交通省北海道開発局函館開発建設部は2020年度の点検で浮きを確認し、頂版全面でたたき落とし作業を行っていたが、大規模な剥落を防げなかった。

2021年7月17日に3tのコンクリートが剥落した北海道松前町の白神覆道。翌18日に、有識者と共に現場を調査した(写真:国土交通省北海道開発局函館開発建設部)
2021年7月17日に3tのコンクリートが剥落した北海道松前町の白神覆道。翌18日に、有識者と共に現場を調査した(写真:国土交通省北海道開発局函館開発建設部)
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 事故があったのは、北海道松前町の海岸沿いにある白神覆道だ。21年7月17日に頂版のコンクリートが縦約6m、横約4m、厚さ約6cmの範囲で剥離し、道路上に落ちた。被害を受けた車両はなかった。

 函館開建は事故発生直後に道路を通行止めにした。翌18日、有識者と共に現地を調査。剥落箇所の周囲で浮きが生じていたコンクリートを除去したうえで、落下防止ネットを設置した。さらなる剥落の恐れがないことを確認し、同日中に通行止めを解除した。

応急復旧の様子。剥落箇所周辺で、浮きが生じているコンリートを除去し、落下防止ネットを設置した(写真:国土交通省北海道開発局函館開発建設部)
応急復旧の様子。剥落箇所周辺で、浮きが生じているコンリートを除去し、落下防止ネットを設置した(写真:国土交通省北海道開発局函館開発建設部)
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 白神覆道は幅9m、高さ4.7mで延長は68m。西側の延長32mは1979年、東側の延長36mは88年に完成した。事故があったのは西側の区間だ。この区間では98年に頂版下面の一部を断面修復した後、塩害対策として全面にエポキシ樹脂系の被覆材を厚さ約0.2mm塗布していた。

 2020年8月の定期点検で、被覆材の表面にひび割れを確認。早期に措置が必要な健全度IIIと判定した。さらに、20年度に発注した補修設計の際にも打音検査を実施。頂版のコンクリートに浮きが生じていたため、一部をたたき落とした。続いて21年6月に補修工事を発注したが、工事に着手する前に事故が起こった。

 剥落した箇所は、20年度にたたき落とし作業を行ったものの、落ちなかった場所だ。1998年に断面修復した箇所が、剥落範囲に含まれるかどうかは不明だという。