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 国が都道府県や政令市に要請した通学路の安全点検の期限が2021年9月末に迫る中、子どもが交通事故に遭う恐れのある危険箇所が依然として多い実態が明らかになった。

 先行して点検を実施した千葉県では、危険箇所が約3500カ所に上り、12年度の前回点検よりも約1000カ所増えた。千葉県八街市で小学生5人が死傷した事故を受け、新たな観点を追加して危険箇所を抽出した影響とみられる。

危険な通学路の例(写真:国土交通省)
危険な通学路の例(写真:国土交通省)
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 千葉県では、3カ月前の6月28日、八街市の通学路で下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込む事故が発生した。県は6月30日、政令市の千葉市を除く53市町村に、小学校647校の通学路の緊急一斉点検を要請した。

 国も7月9日、文部科学省と国土交通省、警察庁の3省庁の連名で都道府県や政令市に小学校の通学路の緊急合同点検を要請した。国が自治体に対し、学校や教育委員会、道路管理者、警察署などによる合同点検を緊急要請するのは、京都府亀岡市や千葉県館山市などで小学生の死傷事故が相次いだ12年度以来9年ぶりだ。

 千葉県は今回、八街市の事故を受けて独自に通学路の一斉点検に着手。その後の国の要請を踏まえ、合同点検に沿う形に切り替えた。点検は、2学期の開始前に関係者が危険箇所を把握できるよう、主に夏休み中に実施。8月19日までに市町村から報告を受けた。

 9月10日に公表した点検結果によると、市町村が危険性を指摘した箇所は計3495カ所を数える。内訳は、交通量が多い(約25%)、歩道が狭い(約21%)、速度超過の車が多い(約16%)、見通しが悪い(約15%)といった場所だ。

 市町村が挙げた危険箇所は、前回の12年度の点検結果(2450カ所)に比べて大幅に増えた。八街市の事故に加え、国が合同点検の実施要領で示した「新たな観点」が影響したとみられる。国は八街市の事故を受け、危険箇所の抽出で次の3つの観点を新たに追加した。

(1)見通しのよい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所
(2)過去に事故に至らなくても、「ヒヤリハット」の事例があった箇所
(3)保護者、見守り活動者、地域住民らから市町村への改善要請があった箇所

千葉県が2021年9月10日に公表した53市町村の点検結果。同8月19日時点(資料:千葉県)
千葉県が2021年9月10日に公表した53市町村の点検結果。同8月19日時点(資料:千葉県)
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