全1338文字
PR

 2018年の北海道胆振東部地震で被災した北海道厚真町の住宅地の耐震化事業で、押さえ盛り土に仕様と異なるふとんかごを設置するなど複数の施工不良が見つかった。補修や再施工で完成が当初の予定よりも約1年遅れる。工事を発注した厚真町が施工者の岩倉建設(札幌市)などと共に21年9月16日、住民向けに説明会を開いて詳細を明らかにした。

 施工不良があったのは、厚真町土地開発公社が1984~90年に造成した「ルーラルビレッジ」。2021年3月の完了検査で見落とされ、その後の住民の指摘で発覚した。

ふとんかごを使った押さえ盛り土の施工状況。規格外の玉石が混入して空隙が生じた(資料:厚真町)
ふとんかごを使った押さえ盛り土の施工状況。規格外の玉石が混入して空隙が生じた(資料:厚真町)
[画像のクリックで拡大表示]

 ルーラルビレッジでは胆振東部地震で不同沈下が発生。これを受け、厚真町は地盤の変状を防ぐために258本の抑止杭やふとんかごを使った押さえ盛り土の工事を岩倉建設に発注した。工期は20年7月から21年3月までで、契約金額は約6億9122億円だ。

 住民から、ふとんかご内の側面にさびた金属網が設置されているのを問題視する指摘があり、施工不良が発覚した。厚真町建設課によると、設計に金属網は含まれておらず、かご本体の耐用年数が短くなる恐れがあるという。ふとんかごの設置延長は約400mで、半数に金属網が設置されていた。

ふとんかご内部に設計にはない金属網が置かれ、さびが生じている(写真:厚真町)
ふとんかご内部に設計にはない金属網が置かれ、さびが生じている(写真:厚真町)
[画像のクリックで拡大表示]

 かごに詰める玉石の大きさは設計時に15~25cm、その後の協議で15~30cmと規定した。しかし、施工時に15cmよりも小さい石や30cmよりも大きい石が混入。かご内部の空隙やかごの凹凸が見つかった。網目の大きさが縦10cm、横15cmなので、小さい石は網目から抜け落ちる可能性があるという。

 規格外の寸法の玉石が含まれるかどうかは現場で確認できるはずだ。岩倉建設は玉石の大きさについて、寸法検査を怠ったと認めている。厚真町も「石材の寸法は、搬入時の確認事項に規定されていない」(建設課)として、寸法をチェックしていなかった。