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 静岡県熱海市で2021年7月に発生した土石流災害を受け、原因とみられる盛り土の規制に乗り出す自治体が相次いでいる。

 鳥取県は、一定規模以上の盛り土の造成を許可制とする条例案を作成し、10月8日にパブリックコメント(意見公募)を開始。長野県でも、阿部守一知事が9月22日の会見で、盛り土による災害を防ぐための条例を検討する考えを明らかにした。

 45年前に土の採取に関する条例を施行し、都道府県でいち早く盛り土の規制に取り組み始めた静岡県も、今回の熱海市の災害を防げなかった反省を踏まえ、規制を強化する新たな条例を制定する方針を打ち出した。

2021年7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流災害。死者・行方不明者が30人近くに上り、約130棟の家屋が被害を受けた(写真:国土交通省)
2021年7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流災害。死者・行方不明者が30人近くに上り、約130棟の家屋が被害を受けた(写真:国土交通省)
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 盛り土については、全国で一律に規制する法律がない。宅地造成等規制法や森林法、農地法などは、盛り土を含む一定規模以上の開発行為を規制している。しかし、法の目的や規制の対象が異なるため、各法の規制が及ばないエアポケットが生じている。

盛り土に関する法律の規制(資料:内閣府)
盛り土に関する法律の規制(資料:内閣府)
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 法の空白を埋めるため、独自に条例を制定している自治体もある。都道府県では半数を超える26都府県に上る。条例の多くは、一定規模以上の盛り土の造成を許可制とし、土地所有者の同意や完了時の届け出、違反時の罰則などを規定している。

 一方で、盛り土に関する条例を設けていない自治体や規制の緩い自治体に外部から土が持ち込まれ、不適切な盛り土の造成が行われる傾向が強まっている。熱海市の土石流を引き起こしたとされる盛り土も、その1つといわれる。

盛り土に関する都道府県の条例の概要。26都府県が条例を制定している(資料:内閣府)
盛り土に関する都道府県の条例の概要。26都府県が条例を制定している(資料:内閣府)
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