ライト工業と古河ロックドリル(東京・千代田)は、法面の削孔からロックボルトの挿入までを1台の油圧ショベルで実現するアタッチメント「ボルト挿入機能付きリモートスカイドリル」を共同開発した。法面上で重機を誘導したり、ボルトを挿入したりする作業員が不要になる。2021年6月に神奈川県の建設現場に導入し、性能を確認した。
開発した機械は削孔ロッドとボルト材を交換したり法面に押し出したりする機構に、カメラや距離センサーなどの機器を取り付けたものだ。機構の動力にはショベルの油圧を使う。外部の油圧ユニットや接続ホースが不要だ。
運転席にはモニターと操作リモコンを取り付けている。油圧ショベルの運転手が1人で操作する。
ライト工業は以前から削孔の機械化を進めていたが、ロックボルトの打設は有人で作業していた。同社の施工技術本部機械統括部の三宅淳機械部長は「重くて長いボルト材を人が法面上で持って作業することには、大きな危険が伴っていた」と語る。
そこで削孔機械に、削孔ロッドの交換機構やボルト材6本を搭載するマガジンを搭載。ロッドとボルト材の取り換えやボルト材の補充を自動化した。ロッドとボルト材を同じ位置から法面に押し出す構造を採用し、機構の位置合わせをし直す手間を減らした。対応するボルトの長さは最大5m、直径は19~25mmだ。