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 経済産業省は、太陽光と風力の発電設備に関する技術基準を見直す。土砂流出事故が相次ぐ太陽光発電設備では、2022年3月末までに傾斜地での架台設計の注意点などを盛り込む。一般海域での利用を促す再エネ海域利用法の施行で工事計画の増加が見込まれる洋上風力発電設備では、22年4月以降の早期見直しを目指す。21年10月13日に開いた産業構造審議会のワーキンググループの会合で方針を示した。

太陽光発電設備を設置した傾斜地の法面が大雨で崩壊した例。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と太陽光発電協会、奥地建産がまとめた「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版」で紹介した。ガイドラインの内容は、太陽光発電設備の技術基準の解釈・解説に取り入れている(写真:新エネルギー・産業技術総合開発機構、太陽光発電協会、奥地建産)
太陽光発電設備を設置した傾斜地の法面が大雨で崩壊した例。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と太陽光発電協会、奥地建産がまとめた「地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン2019年版」で紹介した。ガイドラインの内容は、太陽光発電設備の技術基準の解釈・解説に取り入れている(写真:新エネルギー・産業技術総合開発機構、太陽光発電協会、奥地建産)
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 経産省は現在、50年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする「50年カーボンニュートラル」の実現に向け、将来の主力電源と位置付ける太陽光発電と風力発電の保安規制の在り方を検討している。その一環として、安全性の向上や新技術への対応などを目的に、両発電設備の技術基準を見直す。

 経産省は21年4月、太陽光発電設備の技術基準を定めた省令を施行。併せて、技術基準の解釈と解説を公表した。技術基準は、設備を支持する工作物(支持物)や地盤が満たすべき技術的な要件を規定。解釈・解説には、日本産業規格(JIS)や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の設計ガイドラインなどの内容を取り入れている。

 太陽光発電では、傾斜地への設置の増加に伴い、周辺への土砂流出などの事故が相次いでいる。中でも、保安規制の緩い小出力発電設備での事故が目立つ。経産省は21年4月、出力10kW以上50kW未満の小規模な太陽光発電整備の所有者らに事故報告を義務付ける制度を開始。9月末までの半年間に58件の事故報告を受けた。

太陽光発電設備の事故件数の推移。出力50kW未満の小出力発電設備は除く(資料:経済産業省)
太陽光発電設備の事故件数の推移。出力50kW未満の小出力発電設備は除く(資料:経済産業省)
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2021年4月~9月の小出力発電設備の事故件数(速報値)。*印は全て自然現象由来。21年4月から小出力発電設備の所有者や占有者に事故報告を義務付けた(資料:経済産業省)
2021年4月~9月の小出力発電設備の事故件数(速報値)。*印は全て自然現象由来。21年4月から小出力発電設備の所有者や占有者に事故報告を義務付けた(資料:経済産業省)
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