全1617文字
PR

 キヤノンと中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(東京・新宿)は、橋梁などの点検時に撮影する写真の品質を現場で自動判定するソフトウエアを共同で開発した。画像のピンボケや解像度不足、ぶれの度合いを判別して仕分け、画像の確認や再撮影の手間を減らす。2021年度中に点検業務で試験運用を終え、22年度から本格運用を目指す。

点検画像の品質を現場で確認できる(資料:キヤノン)
点検画像の品質を現場で確認できる(資料:キヤノン)
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトウエアの名称は「Inspection Image Quality Checker」。ノートパソコン向けだ。橋脚や桁のコンクリートの表面を撮影した大量の画像を読み込ませると、ピンボケの範囲や程度、解像度の高低、ぶれの大きさを検出。あらかじめ設定した基準に応じて、適切な画像を自動でフォルダーに選別する。パソコンの性能や画像のデータ量にもよるが、1枚当たり数秒で処理できる。

 解像度はレンズの焦点距離など撮影時のデータから算出する。ピンボケの度合いは、撮影時に画像センサーで取り込んだ像の位相差を基に求める。ぶれの大きさは、画像解析技術を使って検出する。

ソフトウエアを運用するイメージ。画像上のピンボケを度合いに応じて色分けする(資料:キヤノン)
ソフトウエアを運用するイメージ。画像上のピンボケを度合いに応じて色分けする(資料:キヤノン)
[画像のクリックで拡大表示]