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 地下に埋設された通信ケーブルを工事中に損傷して、発注者から指名停止を受けるケースが続出している。

 最近では2021年10月から11月にかけて、高松市内の電線共同溝工事で光ケーブルを破損した前田道路と、金沢市内の排水側溝の付け替え工事で光ケーブルを切断した鹿島道路が、それぞれ国土交通省から1カ月の指名停止を受けた。

鹿島道路が切断した埋設管(写真:国土交通省北陸地方整備局)
鹿島道路が切断した埋設管(写真:国土交通省北陸地方整備局)
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 この1、2年、地下埋設物の損傷事故は増加傾向にある。中でも、通信ケーブルの損傷は社会的な影響が大きいだけに、発注者は事故防止に力を入れている。事故の背景にある施工者の「確認不足」や「思い込み」を根絶する必要がある。

 前田道路が21年10月4日に指名停止を受けたのは、国交省四国地方整備局香川河川国道事務所が発注した「令和2―3年度屋島地区電線共同溝工事」だ。

 21年7月23日午前11時48分ごろ、高松市内を通る国道11号の路肩の排水構造物の施工中に事故が発生した。コア削孔工法を用いて、標識の基礎コンクリートを取り壊していた際に、NTT西日本とNTTドコモ、国交省が地下に敷設した光ケーブルを破損した。

 前田道路は作業に着手する前に、光ケーブルを管理するNTTや国交省の立ち会いや試掘による埋設位置の確認を怠っていた。いずれも、国交省が地下埋設物の損傷を防ぐため、受注者に求めていた事前の確認作業だった。

 前田道路の事故からわずか3日後に、今度は国交省北陸地方整備局金沢河川国道事務所が発注した「R2金沢国道維持道路冠水対策工事」で、鹿島道路が国交省の埋設管や光ケーブルなどを切断する事故を起こした。

 21年7月26日午後11時30分ごろ、金沢市内を通る国道8号で既設のL形側溝をU字側溝に置き換えるため、舗装版を撤去していた際に、中の光ケーブルなどをカッターで切断した。

 鹿島道路は、現場のコア採取などで確認した舗装の厚さ25cmを前提に、舗装版の切断作業を開始。深さ20cmの位置に設置されていた埋設管を破損した。

 一般的に、埋設管は深さ60cm以上の場所に設置されている。しかし現場では、道路下に横断水路が通っているため、通常よりも浅い位置に埋設されていた。

 鹿島道路は通常通り埋設管が舗装よりも深い位置にあると思い込み、埋設位置に関する事前調査を十分に実施しなかった。

 北陸地整は21年11月5日、「安全管理の措置が不適切であったため、公衆に損害を与えた」として、鹿島道路を指名停止にした。

鹿島道路が切断した埋設管と通常の埋設管の状況(資料:国土交通省北陸地方整備局)
鹿島道路が切断した埋設管と通常の埋設管の状況(資料:国土交通省北陸地方整備局)
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