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 トヨコー(静岡県富士市)は高出力のレーザービームを照射して橋梁のさびや塗膜、塩分などを除去する機器「CoolLaser(クーレーザー) G-19」を開発した。レーザーの出力を従来の2倍の6kWに高め、従来機に比べて3~4倍の施工速度を実現した。2022年春以降に、施工会社向けのレンタルを目指す。

レーザーを照射して橋梁のさびや塗膜、塩分などを除去する(写真:トヨコー)
レーザーを照射して橋梁のさびや塗膜、塩分などを除去する(写真:トヨコー)
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 クーレーザーは、高速回転するプリズムを使って円を描くようにレーザーを照射することで、橋梁など鋼材表面のさびや塗膜を溶融・蒸発させる仕組みだ。トラックの荷台に積めるレーザー発振器から100m延長が可能な光ファイバーケーブルで照射装置とつなぐことで、屋外での使用を可能にした。

トラックの荷台に積んだレーザー発振器。光ファイバーケーブルを使って、現場の照射装置とつなぐ(写真:トヨコー)
トラックの荷台に積んだレーザー発振器。光ファイバーケーブルを使って、現場の照射装置とつなぐ(写真:トヨコー)
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 従来の「ブラスト工法」に比べて、産廃量や騒音を抑えられる。橋の支承や桁の端部など、狭く凸凹のある場所でも施工しやすいのが特長だ。

円を描くように高出力のレーザーを照射して、塗膜やさびを除去する(資料:トヨコー)
円を描くように高出力のレーザーを照射して、塗膜やさびを除去する(資料:トヨコー)
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 改良によって出力が従来の2倍に上がり、厚さ300μmの塗膜や厚さ100μmのさびを除去できるようになった。重防食などで塗料を重ねた塗膜にも十分に対応している。

 その他、鋼材の温度が上昇する前にさびや塗膜を速く除去することが可能になり、塗料が付きにくくなる酸化被膜の形成を抑えられるようになった。

「CoolLaser G-19」を照射した後の鋼材の様子。鋼材の上部ではさびが除去されている(写真:トヨコー)
「CoolLaser G-19」を照射した後の鋼材の様子。鋼材の上部ではさびが除去されている(写真:トヨコー)
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写真左は、「CoolLaser G-19」の高出力レーザーを照射して酸化被膜を抑えた鋼材。写真右は従来機でレーザーを照射した鋼材で、酸化被膜が形成されて青色に見える。酸化被膜は一部の塗料が付きにくいといった難点がある(資料:トヨコー)
写真左は、「CoolLaser G-19」の高出力レーザーを照射して酸化被膜を抑えた鋼材。写真右は従来機でレーザーを照射した鋼材で、酸化被膜が形成されて青色に見える。酸化被膜は一部の塗料が付きにくいといった難点がある(資料:トヨコー)
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