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 国土交通省は、直轄土木工事の総合評価落札方式で、入札参加者のICT(情報通信技術)活用の評価に取り組む。技術提案評価型(S型)の一部で評価項目に取り入れる他、施工能力評価型(I型)の一部でも施工計画に記述を求める。東北地方整備局などが実施している試行を全国に広げる。ICT活用による生産性向上を推進し、技術評価に差がつきにくい状況の改善を目指す。2021年11月16日に公表した。

 国交省の総合評価落札方式には、施工上の工夫や高度な施工技術などの提案を求める技術提案評価型と、企業と配置技術者の能力や施工計画を審査する施工能力評価型の2種類がある。さらに、技術提案評価型は技術的な難度に応じてS型とA型に、施工能力評価型は施工計画の提出を求めるI型と求めないII型に分かれる。

国土交通省の総合評価落札方式のタイプ(資料:国土交通省)
国土交通省の総合評価落札方式のタイプ(資料:国土交通省)
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国土交通省の総合評価落札方式の適用状況(資料:国土交通省)
国土交通省の総合評価落札方式の適用状況(資料:国土交通省)
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 技術提案評価型S型は、技術的な工夫の余地がある案件に適用する。全国の8地方整備局が19年度に実施した総合評価落札方式の入札では、年間の発注件数の5.4%、発注金額の25.1%を占める。

 技術提案評価型S型はA型と異なり、設計の一部や工事目的物の変更を伴う提案を求めない。そのため、品質確保などの要素技術に関する提案が多くなり、入札参加者の評価(技術評価点)に差がつきにくい状況が生じている。例えば、18年度の落札者と他の入札参加者の平均得点率を比較すると、前者は94.3%で、後者は90.8%だった。両者にさほど開きはなく、この10年ほどは同様の傾向が続いている。

技術提案評価型S型(標準型を含む)における落札者と非落札者の技術評価点の平均得点率。全国の8地方整備局の港湾・空港関係を除く工事が対象。非落札者の平均得点率は予定価格内の入札者を対象に算出(資料:国土交通省)
技術提案評価型S型(標準型を含む)における落札者と非落札者の技術評価点の平均得点率。全国の8地方整備局の港湾・空港関係を除く工事が対象。非落札者の平均得点率は予定価格内の入札者を対象に算出(資料:国土交通省)
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 そこで国交省は技術提案評価型S型で、自動化施工や3次元測量など取り組みの幅が広いICT活用の提案を求めれば、技術評価に差がつきやすくなると判断。入札参加者が多く見込まれる工事の他、同一工種の施工量が大きい工事を対象に、複数求める提案の1つに「ICT活用による生産性向上」を設定する方針を決めた。各提案に対して、高い効果が期待できる場合は満点を、効果が期待できる場合はその半分を、一般的事項のみの記載の場合は0点を付ける。