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 米ノースカロライナ州で、全長1000mのプレストレストコンクリート橋への架け替え工事において、桁と杭(くい)の補強材全てに繊維補強プラスチック(FRP)が採用される。長大コンクリート橋の主要構造部材の緊張材や補強筋に、鋼材を使わないのは珍しい。

米バージニア州にある工場で杭の製作が進む。炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)の緊張材が見える(写真:東京製綱インターナショナル)
米バージニア州にある工場で杭の製作が進む。炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)の緊張材が見える(写真:東京製綱インターナショナル)
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 発注者はノースカロライナ州運輸局。ハーカーズ島と本土を結ぶ2本の橋梁を1本に架け替える。2021年9月に着手した。25年秋の開通を目指す。

 州運輸局は新橋の100年間の供用を目指し、腐食せず耐久性の高いFRPに注目。橋脚の一部である杭の緊張材とスパイラル筋、桁の緊張材には、東京製綱インターナショナルの炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)を使う。CFCCの使用延長は約385kmに及ぶ。

 桁の補強筋にはガラス繊維補強プラスチック(GFRP)を採用する。

ハーカーズ・アイランド・ブリッジプロジェクトで架け替える橋のうちの1つ。1970年に造られた(写真:ノースカロライナ州運輸局)
ハーカーズ・アイランド・ブリッジプロジェクトで架け替える橋のうちの1つ。1970年に造られた(写真:ノースカロライナ州運輸局)
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 州運輸局は、ノースカロライナ州立大学と共同で、3年間かけて架け替え後の橋のモニタリングを実施する。FRPの材料の引張強度などを確認する。

 「ミシガン州でも実際の橋梁でFRPの材料特性について調査しているが、これほどの規模の橋でFRPに関して大掛かりなモニタリングを実施するのは初めてではないか」。東京製綱インターナショナルの山本義明CFCC土木建築事業部長はこう話す。ミシガンでは複数の道路橋で張力などのモニタリングを実施しているが、いずれも橋長が数十メートルの規模だ。

 さらにノースカロライナ州運輸局は同プロジェクトで、FRPの製作工場の監査や品質管理計画に基づいた内容のチェックも実施する予定だ。

炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)。重さは鋼材の5分の1程度で、高い引張強度と弾性率、柔軟性、耐腐食性などが特長だ(写真:東京製綱インターナショナル)
炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)。重さは鋼材の5分の1程度で、高い引張強度と弾性率、柔軟性、耐腐食性などが特長だ(写真:東京製綱インターナショナル)
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