大阪府守口市で工業用水道管を敷設するシールドトンネルの工事中に水が流入し、作業員が2日間にわたって坑内に閉じ込められた。作業員は2021年12月18日の朝、救助隊員らに救出された。命に別条はなかった。シールド機の前方から流入した水が掘削済みの土砂などを押し流してトンネルを閉塞させたとみられる。
事故が発生したのは、大阪広域水道企業団が発注した「大庭三島連絡管整備工事」。工業用水道事業の効率化の一環として、三島浄水場(大阪府摂津市)の機能を大庭浄水場(守口市)に一元化するため、淀川を挟む両浄水場を配水管(延長約2.4km)で結ぶ。
工事は、大阪中央環状線など幹線道路が通る市街地で行う。そのため、通行車両や地下埋設物への影響を考慮して、配水管の大部分を泥土圧式シールド工法で構築したトンネルの内部に敷設する。事業期間は16~22年度で、総事業費は約37億円を見込んでいる。
作業員が閉じ込められたのは、守口市側のシールドトンネル工事だ。大庭浄水場から中継地点の庭窪浄水場までの延長約974mの区間に、泥土圧式シールド工法の一種である「DXRシールド」を使って内径1.1mのトンネルを構築し、その内部に口径700mmのダクタイル鋳鉄管を敷設する。施工者は大勝・中林JVで、請負金額は現時点で約16億円。