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 ライト工業は、法面に吹き付けるモルタルなどの製造から圧送までを作業員1人がリモコンで操作するプラントシステム「Automatic-Shot R」を開発した。熟練の作業員を個別の機械に張り付ける必要がなくなる。2021年12月に国内の建設現場で本格的な運用を始めた。

吹き付け材料の製造プラントを1人でリモコン操作できるようにした(写真:日経クロステック)
吹き付け材料の製造プラントを1人でリモコン操作できるようにした(写真:日経クロステック)
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 骨材とセメントに水を混ぜたモルタルやコンクリートを吹き付ける機械に、センサーや計器、通信機器などを取り付けた。砂などの骨材を入れるホッパーと、セメントを混ぜるミキサーとを連動させている。プラントの担当者1人が無線通信のリモコンを使って、材料の製造・圧送の開始や停止を操作する。

写真右は開発した吹き付け機。リモコンで操作できる(写真:ライト工業)
写真右は開発した吹き付け機。リモコンで操作できる(写真:ライト工業)
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材料の吹き付けをリモコンで操作する様子。重機のアームに取り付けたノズルで吹き付けている(動画:日経クロステック)

 その後の吹き付けは従来通り、人力での施工だ。吹き付け機から法面までホースを伸ばし、「ノズルマン」と呼ぶ作業員が先端のノズルを動かして施工する。

 ライト工業は以前から、セメントの投入など一部の作業を機械化していた。だがホッパーとミキサー、吹き付け機はそれぞれ別の作業員が操作していた。

写真手前がホッパー、その奥がミキサー。写真左側に見えるのはセメントのサイロ(写真:日経クロステック)
写真手前がホッパー、その奥がミキサー。写真左側に見えるのはセメントのサイロ(写真:日経クロステック)
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 特に吹き付け機は、タンク内部での空気量の調節や吹き付け材料の適切な補充に必要なバルブ操作が難しい。ライト工業施工技術本部機械統括部機械部の永岡藤彦開発担当部長は、「熟練の作業員はコンプレッサーの音や圧力計の動き、吹き付けの様子を基に、タンクのバルブを回す加減を見極めている」と語る。

 不慣れな作業員が操作すると、吹き付け材料の補充が間に合わなかったり、吹き付け量が不安定になったりして生産性が下がる。熟練の作業員が減る中で、課題だった。