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 不動テトラとソイルテクニカは、地中に円柱状の地盤改良体を造る高圧噴射かくはんで、二酸化炭素の排出量を従来工法と比べて約30%削減する「モールエコジェット工法」を開発した。小型の機械を使うため、補助用のクレーンが不要で、地下駐車場や建屋内など、従来は施工が難しかった場所でも地盤改良できる。

供用中の工場内で地盤改良体を造成するイメージ(資料:不動テトラ)
供用中の工場内で地盤改良体を造成するイメージ(資料:不動テトラ)
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 新工法では、新しい回転機構を採用した。同一線上にない2カ所のノズルから反対方向に噴射する材料の流体エネルギーを動力にしている。偶力が働いて、ロッドの先端だけが回転する仕組みだ。

ノズルから噴射する流体エネルギーによる回転機構のイメージ。モーターを使わない新発想の回転機構で、省エネ化と施工機の小型化を実現した(資料:不動テトラ)
ノズルから噴射する流体エネルギーによる回転機構のイメージ。モーターを使わない新発想の回転機構で、省エネ化と施工機の小型化を実現した(資料:不動テトラ)
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 モーターで駆動する従来機はロッド全体が回転していた。新工法では回転する部分が限られているので、従来ほどの回転力がなくても施工効率は落ちない。回転数は従来機と同様に制御できる。

従来機(左)はロッド全体が回転するのに対し、モールエコジェット工法(右)では、ノズルがある噴射体だけが回転する(資料:不動テトラ)
従来機(左)はロッド全体が回転するのに対し、モールエコジェット工法(右)では、ノズルがある噴射体だけが回転する(資料:不動テトラ)
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 水やミキシングプラントで作液したセメントスラリーは高圧ポンプで圧送して噴射する。ミキシングプラントと高圧ポンプの稼働には電力を使う。

 施工機は手押しで運べる。入り口が狭い建物内でも、80cm以上の幅があれば搬入できる。ロッドの標準長さは1mで、継ぎ足しは人力で行う。そのため、上部に制約がある現場でも、2.1m程度までの高さ制限であれば対応可能だ。

施工機は手で押して運べる(写真:不動テトラ)
施工機は手で押して運べる(写真:不動テトラ)
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施工機のサイズは高さ2.1m、幅1.1m、奥行き1.2m。本体重量は220kgで、付属品を加えても300kg以下だ。下部の部品を取り外せば、幅80cmの狭い入り口でも建物内に搬入できる(写真:不動テトラ)
施工機のサイズは高さ2.1m、幅1.1m、奥行き1.2m。本体重量は220kgで、付属品を加えても300kg以下だ。下部の部品を取り外せば、幅80cmの狭い入り口でも建物内に搬入できる(写真:不動テトラ)
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 従来のボーリングマシンの多くは自走できないため、位置を変えるときはクレーンで吊り上げて移動していた。そして、施工中もロッドの上部にクレーンのフックを接続した状態にしておき、ロッドの継ぎ足しが必要な際にロッドを吊り込む必要があった。