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 政府が全国の小学校の通学路を緊急点検した結果、約7万2000カ所で交通安全対策が必要なことが分かった。政府は2021年度補正予算や22年度予算案に関連費用を計上。歩道の整備や車の速度規制などの対策を進め、23年度末までにおおむね完了させる予定だ。

「危険な通学路」の例(写真:国土交通省)
「危険な通学路」の例(写真:国土交通省)
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 通学路の緊急点検は、21年6月に千葉県八街(やちまた)市で起こった交通事故を受けて実施した。この事故では、下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷した。文部科学省と国土交通省、警察庁の3省庁は翌7月、都道府県などに通学路の緊急点検を要請した。

 点検対象は全国の約1万9000校の通学路。学校や教育委員会、道路管理者、警察などが合同で危険箇所を抽出し、必要な対策を検討する。21年10月末までに約1万8000校の作業を終了。12月24日の交通安全対策に関する関係閣僚会議で報告した。

 点検の結果、道路管理者による歩道の整備などが必要な箇所は約3万7000カ所、学校・教育委員会による通学路の変更などが必要な箇所は約3万4000カ所、警察による車の速度規制などが必要な箇所は約1万6000カ所に上った。複数の機関による対策が必要な箇所もあった。

全国の小学校約1万9000校の通学路に対する点検の結果。2021年10月末までに報告のあった約1万8000校分を集計した。複数の機関による対策が必要な箇所もある(資料:内閣府)
全国の小学校約1万9000校の通学路に対する点検の結果。2021年10月末までに報告のあった約1万8000校分を集計した。複数の機関による対策が必要な箇所もある(資料:内閣府)
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