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TSUCHIYAが設計よりも約0.7m短く施工した見延第二高架橋の橋脚(写真:中日本高速道路会社)
TSUCHIYAが設計よりも約0.7m短く施工した見延第二高架橋の橋脚(写真:中日本高速道路会社)
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 中日本高速道路会社が岐阜県本巣市内に整備している東海環状自動車道の高架橋で、橋脚1基を設計よりも短く施工していたことが分かった。測量ミスで基礎を設計よりも高い位置に造ったと気づいた施工者のTSUCHIYA(岐阜県大垣市)が、上端の位置を合わせるため柱部を短くしていた。中日本高速が2022年1月11日に明らかにした。

 TSUCHIYAは契約金額約7億円、20年6月~22年5月の工期で、東海環状道の見延第二高架橋など3橋の下部工事を担当している。

■基礎の高さの誤りを隠蔽か
■基礎の高さの誤りを隠蔽か
中日本高速道路会社の資料を基に日経クロステックが作成
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 ミスがあったのは、同社が施工する計16基の橋脚のうち、見延第二高架橋の内回り側のP5橋脚だ。上端から下端までの長さを、設計よりも約0.7m短い11.3mとしていた。上端の高さは設計通りだが、根入れ深さが不足した。同社の現場代理人が21年12月8日、中日本高速の監督員に報告した。

 中日本高速は、橋脚の安全性や長期耐久性を確認できないと判断。問題の橋脚を取り壊して造り直すとのTSUCHIYAからの申し出を受け入れ、22年1月11日に再施工を指示した。中日本高速によると、正しく施工されていなかった橋脚は1基だけで、TSUCHIYAが手掛ける3橋の下部工事は現在の工期通りに完成する見込みだ。3橋を含む東海環状道の糸貫インターチェンジ(IC)─大野神戸IC間の開通予定も24年度のまま変更はない。