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 風水害で浸水の恐れのある地域に立地している自治体指定の避難所が全国で2万4000カ所余りに上ることが内閣府の調査で分かった。内閣府は2022年1月13日、浸水想定区域内の避難所の指定を極力避けるよう、自治体に通知した。

浸水想定区域内に指定避難所が立地している例(資料:国土交通省)
浸水想定区域内に指定避難所が立地している例(資料:国土交通省)
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 指定避難所とは、災害の恐れのある場合に住民が身を寄せたり、災害で自宅に住めなくなった住民が避難生活を送ったりする場所だ。災害対策基本法(災対法)に基づき、市区町村が公立小中学校や公民館などを避難所として指定する。

 過去の風水害では指定避難所が被災するケースもあった。例えば、20年7月に九州地方を襲った豪雨では、各地で指定避難場所の浸水が相次いだ。福岡県大牟田市では、指定避難所である市立みなと小学校や三川地区公民館が浸水し、一時孤立。自衛隊が出動し、避難住民を救出した。いずれも浸水想定区域内に立つ施設だ。

福岡県大牟田市が2020年6月に発行したハザードマップの一部(資料:福岡県大牟田市)
福岡県大牟田市が2020年6月に発行したハザードマップの一部(資料:福岡県大牟田市)
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 こうした事態を受け、内閣府は指定避難所の適切な指定を自治体に促す必要があると判断。全国の指定避難所を調査し、20年10月時点の立地状況をまとめた。

 内閣府の調査によると、全国の指定避難所7万9285カ所のうち、浸水想定区域内にある施設は2万4254カ所で、全体の30.6%を占める。全国の市区町村の72.2%に当たる1257自治体が、そうした指定避難所を抱えている。

内閣府が実施した自治体調査の結果。2020年10月1日時点の指定避難所の立地状況。内閣府の資料を基に日経クロステックが作成
内閣府が実施した自治体調査の結果。2020年10月1日時点の指定避難所の立地状況。内閣府の資料を基に日経クロステックが作成
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