全3420文字
PR

 大阪府と大阪市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設事業で、予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)の土壌汚染対策などに市が約790億円を投じることに反発が広がっている。

 府と市が2022年1月23~29日に4回開いた区域整備計画案に関する公聴会では、費用の増大などを懸念する反対意見が相次いだ。2月10日の市議会本会議では、自民党や共産党の市議団が市の説明不足などを理由に計画の是非を問う住民投票の実施を主張した。

 自民党市議団が本会議で提出した住民投票条例案は、最大会派の大阪維新の会や公明党の市議団の反対で否決された。ただ、市はこれまでIR事業への公費投入を否定してきただけに、市民や市議会議員らの反発は今後も続くとみられる。

夢洲の全景(写真:大阪市)
夢洲の全景(写真:大阪市)
[画像のクリックで拡大表示]

 府と市が21年12月に公表した区域整備計画案の骨子によると、夢洲(約390ha)の中央部の北側に位置する約49haの敷地に、カジノや国際会議場、展示施設、宿泊施設などを建設する。事業期間は35年間で、30年間の延長が可能だ。初期投資額は約1兆800億円で、うち建設関連は約7800億円に上る。

 施設の建設や運営は、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの企業連合が担う。両社が設立する事業会社に、関西電力や大阪ガス、NTT西日本、JR西日本、パナソニックなど20社が出資。建設業では、大林組や大成建設、竹中工務店、大和ハウス工業が参加する。

 府と市は22年2~3月の各議会で区域整備計画案の同意を得た後、4月ごろ国に計画の認定を申請する。夏ごろに国の認定を受けた後、事業会社が土地所有者の市と35年間の事業用定期借地権設定契約などを結ぶ。事業会社は23年度以降に土地の引き渡しを受けて、工事に着手。29年秋から冬ごろの開業を目指す。

統合型リゾート(IR)のイメージ(資料:大阪市)
統合型リゾート(IR)のイメージ(資料:大阪市)
[画像のクリックで拡大表示]
IR事業の実施体制(資料:大阪市)
IR事業の実施体制(資料:大阪市)
[画像のクリックで拡大表示]