広島市内の住宅地の直下で建設を進めている広島高速5号線のトンネルで、この3カ月ほどの間にシールド機のトラブルが3度発生し、工事が中断している。その影響で2022年度に予定している5号線(本線)の完成が遅れる見通しとなった。完成時期のめどは立っていない。
問題が起こっているのは、広島高速1号線(安芸府中道路)とJR広島駅北口を結ぶ広島高速5号線(延長約4km)の一部で、駅北側の山間部を貫くトンネル(同約1.4km)の建設工事だ。県と市が出資する広島高速道路公社が発注し、大林組・大成建設・広成建設JVが泥水式シールド工法で施工している。
この工事では、シールド機が掘進を開始してから3カ月後の18年12月に、面板に取り付けられたディスクカッターの一部が破損。5カ月ほど掘削を中断している。
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今回、トラブルが頻発しているのは、駅北側の山間部に造成された住宅地の区間だ。21年10月に、シールド機が駅北側の起点から641mの地点にある住宅地の直下に差し掛かった。住宅地の区間はそこから約350mに及ぶ。