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 千葉県は、企業局が2021年10月に発注した給水場配水池の耐震補強工事で、職員による積算ミスがあったとして、受注者の福田組との契約を解除した。積算が正しければ、別の建設会社が受注していた。企業局は設計内容を見直して、22年度に改めて入札を実施する。

千葉県の積算ミスに関する公表資料の一部(資料:千葉県)
千葉県の積算ミスに関する公表資料の一部(資料:千葉県)
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 積算ミスがあったのは、企業局施設整備センターが発注した「船橋給水場1号配水池耐震補強工事」。21年9月29日に総合評価落札方式の一般競争入札を実施した。県が公表している入札結果によると、福田組と上国興業(同県松戸市)、市原組(千葉市)、萩原土建(同県芝山町)の4社が参加した。

 入札の結果、評価値が最も高かった萩原土建が落札候補1位となった。ただ、その入札金額が低入札価格調査の基準価格を下回ったため、企業局は低入調査の実施を通知。萩原土建は翌9月30日、調査に必要な書類を提出しない旨を届け出た。そこで、企業局は同社の失格を決定。2週間ほど後の10月13日に、評価値が2番目に高かった福田組と2億3973万4000円(税込み)で契約した。

 その後、企業局に入札案件の設計書について「日数を教えてほしい」との問い合わせがあった。資機材の数量や金額などを記した設計書は、予定価格の基になる設計金額の算出に使用する。企業局は入札後、請求があれば設計書を開示している。問い合わせでは、知りたい日数の対象を明らかにしていなかった。

 そのため、企業局は設計書で日数に関係のある箇所を全て確認。10月28日に、樹脂製の敷板と移動式の足場の賃料日数に誤りがあることを突き止めた。敷板では本来の44日間が62日間に、足場では本来の3カ月が4カ月になっていた。

 このミスにより、設計金額を26万4000円過大に算出。それに伴い調査基準価格も23万1000円高くなった。企業局は萩原土建を失格としたことを理由に、同社の入札金額を公表していない。しかし、萩原土建の入札金額が適正な調査基準価格を上回っていたため、本来であれば同社が落札者になっていた。

 企業局は入札に参加した4社に事情を説明して謝罪。福田組には、入札の公平性の確保などを理由に契約の解除を申し入れた。福田組は、現場の調査や従業員らの滞在用マンションの賃借など、工事に向けた準備を進めていた。そのため、当初は契約の解除に難色を示した。過去に積算ミスが発覚した企業局の発注工事では、受注者が契約を継続した例もあった。福田組も同様に、契約の継続を望んだ。

 企業局によると、積算ミス判明後に受注者と契約を継続した過去のケースでは、既に現場の作業が進んでおり、工事を途中で中止できない状況になっていた。しかし今回、福田組は積算ミス発覚時に現場作業を本格的に始めていなかった。

 そのため、企業局は福田組との契約の解除を決定。福田組も最終的に企業局の要請を受け入れ、ミス判明から1カ月後の11月26日に契約を解除した。さらに、3カ月後の22年2月14日に、福田組が契約解除までに要した費用146万7504円(税込み)を企業局が負担することで両者は合意した。

千葉県の積算ミスに関する公表資料の一部(資料:千葉県)
千葉県の積算ミスに関する公表資料の一部(資料:千葉県)
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千葉県が公表している入札結果。ただし、この工事を担当する企業局は、入札参加者名を明らかにしていない(資料:千葉県)
千葉県が公表している入札結果。ただし、この工事を担当する企業局は、入札参加者名を明らかにしていない(資料:千葉県)
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